「まずはブリーチから」
準備が出来たので、席に通された。僕の隣りでは若い女性が簾みたいな髪になっている。ブレイズというヘアスタイルらしい。そっちがブレイズならこっちはニンジンだ。と勝手にライバル意識を持つ。
≪ニンジンになる≫
ゆかりさんのために、鏡の前ににんじんを置いておいた。 この色を目指してがんばってもらおう。
≪見本のにんじんを前に置いて≫
ゆかりさんが最初に持って来たのはブリーチ剤だ。ブリーチ剤で黒色を抜いてから、色を乗せていくのである。通常、奇麗に色を乗せるためにはハイブリーチという強力なブリーチ剤を使用するらしいのだが、目指す色がオレンジなので弱めのブリーチ剤でも充分だという。
≪ブリーチ剤≫
「ヒリヒリしてきたら言ってくださいね」
とゆかりさん。
そう、ブリーチ剤はしみるのだ。しかし、赤毛のアンになるためには、ヒリヒリも我慢しなければならない。赤毛になるのも大変である。
≪髪全体にブリーチ剤を塗る≫
ブリーチ剤が全体に行き渡ったら、ラップをかけてしばらく待つ。
待っている間、退屈なので持ってきたにんじんを頭にあてがって、完成の色をイメージしてみた。
≪完成をイメージ≫
改めて見ると、にんじんの色は結構ポップである。こんな髪の色をした人なんて見た事がない。やっぱりやめようか?
しかし、みるみるうちに僕の髪は金髪になっていく。
≪デーブスペクターさんに近い≫
≪この色≫
そして20分ほど経過すると、すっかり金髪になった。
天然パーマのうねりも手伝って、全体的にデーブ・スペクターさんのようになっている。この段階でやめたら、デーブさんを目指したことになってしまう。
もう後戻りは出来ない。
予定通り、アンの赤毛にしてもらおう。
ブリーチ剤を洗い流してもらい、いよいよカラーリングに入る。
≪ブリーチ剤を洗い流す≫