「南和の医療を考えるシンポジウム」が15日、五條市市民会館であった。7月に県と12自治体が発足させた「南和の医療等に関する協議会」が主催。自治体、医療関係者、住民ら約420人が参加した。
基調講演した有限責任監査法人トーマツの公認会計士、和田頼知さんは、深刻化する医師、看護師不足と入院患者の増加に対応するため、「複数病院の機能再編とネットワーク化で働く環境を改善し、医療職員を確保するとともに、住民の支援、協力が欠かせない」と指摘した。
パネルディスカッションでは、武末文男・県医療政策部長が「治療中心とリハビリ・療養中心の役割分担が必要なのに、南和の3公立病院はいずれも治療中心だ」として、各病院の連携と役割分担が必要だと指摘。県立五條病院・松本昌美院長、吉野町国保吉野病院の國松幹和院長、大淀町立大淀病院の西浦公章院長も同調した。
3病院は経営悪化に苦しんでいるが、武末部長は「3病院があるから南和の診療所を守れる」と説明した。【栗栖健】
毎日新聞 2010年11月16日 地方版