徳島市民病院(同市北常三島町2)で肺がんを手術した後に死亡した男性の遺族が市を相手取り、手術の際に医療過誤があったとして損害賠償などを求めていた訴訟で、双方が和解の方向で調整を進めていることが15日、市などへの取材で分かった。市によると、年明けにも和解が成立する見通し。
訴状によると、男性は04年11月、同病院で肺の摘出手術を受けた後に出血多量で死亡した。原告側は手術の際に医師のメスが別部位に刺さったと主張して05年に徳島地裁に提訴。市側は「合併症による出血」と反論し、議論は平行線をたどっていたという。
市は12月定例会に提出する市民病院事業会計補正予算案に和解金として500万円を計上する。市の担当者は「市側の過失を認めたわけではないが、訴訟が長期間に及んでいることなどを考慮した」と説明している。【井上卓也】
毎日新聞 2010年11月16日 地方版