ばらすと、画像の通りのパーツ構成となる。装飾のためのパーツが、他のペンより多い。
(1) ペン芯にくびれがあり、この長さ分だけ旧来の149のエボペン芯などよりもペン芯が長くなっているということ。
ペン芯が長く、しかもくびれ(ボトルネック)がある、ということが直ちにインクフローの悪化につながるとは1使用者である私は断言できない。ペン芯は、インクフローも重要だが、インク出の追従性(呼吸機能)も非常に大事だ。そもそも、149の各年代のエボペン芯、ヘミングウェイのプラペン芯、とも設計が大違いなのだから。
天邪鬼のぼくは、むしろ、ペン芯に豊かにインクを蓄え、かつ、ボタ落ちを防止するメリットもあるのでは、とも思う。前回のモンブランジャパンの技師は、「インクが出すぎなぐらいだ」と言った。もちろん、個体差の問題もあり、一般化できない。
逆に、エボペン芯の149(B)は瞬時のインクフローは大変よく、インクがもりもりっと盛り上がる筆跡になるが、長時間早書きでの息切れ=すなわち、インクの追従性には少々劣る気がしている。
(2) 次に、ピストン弁の形状が「逆ラッパ」型をしていて、かつ長いという点。
ヘミングウェイでは、ラッパ型でしかも70,80年代ごろの149のラッパ型ピストン弁よりも短い設計であった。この点で、明らかにインク吸入量がヘミングウェイに劣ることになる。現行の149もピストン弁は逆ラッパ型である。
この形状の意味合いを勝手に想像する。インク吸入のときにピストンを複数回往復させてなるべくインク満タンにしようとしても、一定量の空気をタンク内に確保して、インク出・押し出し効果を保つため?だろうか。