反  戦

  

(「Wave」42号より転載)

世界中の声を無視した開戦を許すな!

罪もないイラクの子供たちを殺すな!

平和憲法日本戦争支持弾劾!

今こそイラク戦争反対の行動を!

世界の人々とともにたたかおう!

      

 3月20日午前(日本時間)、米英軍は世界中の戦争反対の声を踏みにじりイラクに対する戦争を開始しました。この戦争は、一片の正義性もないばかりか、明確に国連憲章に違反する蛮行です。
 アメリカはイラクが大量破壊兵器を所持していることを戦争の口実としていますが、1991年から1998年までの8年間、「国連大量破壊兵器廃棄特別委員会」の一員として、イラクにおいて大量破壊兵器の廃棄に立ち会ったスコット・リッター氏は次のように語っています。

  
 イラクの大量破壊兵器の90〜95パーセントは廃棄されました。それは事実です。われわれが頭に入れておかなければいけないのは、残りの5〜10パーセントがかならずしも脅威になるわけではないということです。それだけでは兵器計画さえ成り立たない。兵器計画の断片を集めても、全体としてはたいしたものにはならないのです。

  
 生物化学兵器に関しても、もし隠し持っていたとしても経年変化によりすでに毒性を失っており「もう世界が心配するような毒性を持つ危険な化学兵器ではありません」と指摘しています。
 詳しい話は『スコット・リッターの証言 イラク戦争』(合同出版)を読んでください。
 さて、アメリカはイラクが大量破壊兵器を保持しているということを戦争の口実としていますが、アメリカ自身こそが世界最大の大量破壊兵器の所持国であり、使用国であるのです。
 来年度のアメリカの国防予算は、アメリカ以外の全世界の国防予算の合計を上回るとのことです。また、アメリカは世界最大の武器輸出国家です(アメリカ一国で50%を超える。ちなみに、第二位はイギリスで、両国を合わせると世界の武器輸出の70%ほどになります)。
 アメリカは、「大量破壊兵器」を世界の各地で実際に使用してきました。1991年の「湾岸戦争」で使用した劣化ウラン弾による被害は、今日に至るも続く甚大なものです。
 劣化ウラン弾はきわめて高い貫通力を持ち、戦車の厚い装甲板を「バターをナイフで切り裂くように」貫いてしまうと言われています。この劣化ウラン弾は、原発の廃棄物であるウラン238を用いて作られています。「核兵器」の定義が、「ウラン235やプルトニウム239などの核分裂物質を核爆発させる兵器」とされているため劣化ウラン弾は「通常兵器」とされていますが、放射能による被害を引き起こす兵器であるという点から、「事実上の核兵器」とも言われています。
 いま、イラクでは、先の「湾岸戦争」でアメリカの軍隊が使用した劣化ウラン弾による放射能汚染が原因と見られる被害が小さな子供や生まれてくる赤ん坊に広がっています。ガン・白血病でたくさんの子供が死んで行っている一方、「無脳症」「水痘症」の赤ん坊がたくさん生まれてきています。その被害はあまりにも悲惨です。
 戦争というものが、どのような結果を生み出すのかということを知っていただくには、次に掲げる二つのURLのホームページの写真を見て頂くのが良いかと思います(2つ目のHPは気の弱い方は見ない方がよいかもしれません。大変つらい写真が多数掲載されています)。

  http://www.morizumi-pj.com/iraq/iraq.html

  http://www.web-light.nl/VISIE/extremedeformities.html

 戦争の被害は戦争が終わった後も長い間続くのだと言うことを知ってください。ベトナムでは、いまだに枯れ葉剤による被害が途絶えていないそうです。地雷や不発弾による被害も続いているとのことです。劣化ウラン弾による被害についてはまだ不明な点が多いのですが、この先被害が拡大されていくであろうことは間違いなさそうです。「湾岸戦争」ではおよそ95万発の劣化ウラン弾が使用されたと言われています(本紙前号記載の「950万発」は誤記)。矢ヶ崎克馬・琉球大学教授の計算によれば「広島に落とされた原爆の1万4千倍から3万6千倍の放射能原子」がばらまかれたとのことです。ウラン238の半減期は45億年(!)とのことですから、イラクの大地からは、この先「永遠」に放射能が放出され続けることになります。このようにいつ終わるか分からない被害を生み出す兵器を「大量破壊兵器」と言わずになんと言いましょう。
 また、開戦当日に使用された「バンカー・バスター爆弾」や今後使用が予定されている「MOAB」(通称「すべての爆弾の母」)は、核兵器に匹敵する破壊力を持つと言われています。「MOAB」の実験では「原子爆弾のようなきのこ雲が、約50キロ離れた地点から見えた」といいます。これらの兵器を「大量破壊兵器」と言わずになんと呼べば良いでしょう。
戦争というものは、まことに悲惨な結果を生み出します。そして、その被害の多くは子供たちにもたらされます。
 私は、本稿のタイトル部分に「罪もないイラクの子供たちを殺すな!」と記しました。本来は、「罪もないイラクの民衆を殺すな!」とすべきところでしょう。大人であろうと子供であろうと、罪のない人々が殺されることは許されないことです。たとえ一人といえども無辜が殺されることは許されません。それを十分に承知した上で、私はあえて「子供たちを殺すな!」と記しました。その理由は、戦争の被害が小さな子供たちに集中すると言うこと、子供の被害は大人の被害に比べてより悲惨であると言いうることを知って欲しいからです。
 2400万のイラクの人口の半数にあたる1200万人は15歳以下の子供です。欧米以外の国々では、一組の夫婦に5人以上の子供がいることが珍しくないため、人口に占める子供の比率が高いのです。ですから、戦争の被害はどうしても子供に集中するのです。そして、あらゆる面において、大人に比べて子供の被害はより大きいのです。恐怖や痛みに耐える力は大人の方が高いです。一方、怪我や病気に耐える力は子供の方が低いのです。
 大人には、一人になっても生きていく力がありますが、親を失った小さな子供は自力では生きていけません。戦争は、何万、何十万という戦争孤児を生み出します。親を失い、住む家を失い、おなかをすかせ、恐怖にうち震えなくてはならない子供たちがたくさん生み出されるのです。
皆さん、親を失い「孤児」となって生きてゆかなくてはならない子供の悲しみと辛さに思いを馳せてください。何の罪もない子供の頭上に、爆弾が、放射能が降り注がれる現実を見つめてください。ガンや白血病に冒され死んでいく子供たちのことを思ってください。
 子供になにひとつ罪はありません。一方、私たち大人には、戦争を止められなかった責任があると思います。我が国は、この戦争を支持しているのですから、我々日本人には大きな責任があります。
承知のように、日本国憲法には次のように記されています。

  
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

  
しかるに、世界の大半が平和的手段による「イラク問題」の解決を望む中、我が国は米英による戦争を全面的に支持しています。加えて、我が国はイージス艦を派遣することによって、具体的にもこの戦争に荷担しています。これは、あきらかに憲法の精神に反しています。私たち日本人には、道義的責任以上の責任があるのです。
 一昨日、東京千代田区の学士会館で行われたイラク戦争反対の集会で作家の灰谷健次郎氏は次のように語りました。

   
 「人間の想像力が、他者の痛みを自分のものとしてとらえるというところに行き着かなければ、本当の良心とは言えない」「戦争について、複雑に考えるべきではない。単純に考えるべきである。戦争は絶対にいけない。正しい戦争など無い」

  
 同じ集会で、ルポライターの鎌田慧氏は次のように語りました。

  
 「我々は、ブッシュや小泉を単純に批判するのではなく、そういう体制を変えるために日常的に何もやっていない自分自身を痛みを持って省みることができるかどうかだ」

  
 いま、私たちの人間的良心が問われています。いま、「戦争反対」の声を上げないことは小泉政権の戦争支持を認めることです。いま、「戦争反対」の行動を起こさないことは、米英による戦争を認めることであり、イラクの子供たちの殺害を認めることです。
 「戦争は反対だけれど、集会やデモ行進によって戦争が止められるわけじゃないから」と考えるとしたらそれは言い訳です。たとえ代議制の社会であろと、一人一人の人間が、社会の担い手として責任を持って発言し、行動することこそが民主主義と社会正義を実現していく根幹となるのです。
 次のページに掲載したアメリカの中学生シャーロッテ・アルデブロンの呼び掛けに謙虚な心で耳を傾けてください。あなたも、子供のような純粋な心で戦争について考えてください。そして、大人として恥ずかしくない行動をとってください。いま必要なことは、世界中で一人でも多くの人間が、この不正義の戦争に反対の声を上げることです。
 私は、水戸事件のたたかいと戦争反対は根本的に同じ問題だと思っています。(水戸事件の)赤須正夫を許さないという気持ち、(サン・グループ事件の)和田繁太郎を許さないという気持ちは、人間に対する非人間的な振る舞いを許さないという気持ちです。ならば、人間に対してもっとも許し難い非人間的な振る舞いである戦争も絶対に許すことができないはずです。
 世界中でこの戦争に反対する行動が起こされています。日本各地でも、集会や抗議行動が行われています。もう、傍観者で過ごすことはやめにして欲しいと、心からお願いします。あなたのその良心を、具体的行動として表してください。「戦争反対」の声を上げることを、戦争に抗議する行動に参加することをためらう、どんな理由があるというのでしょうか!
 最後に、マルチン・ルーサー・キング牧師の有名な言葉を紹介して私の訴えを結びます。

  
 最大の罪は少数の人の破壊ではなく、大多数が傍観することだ。

   

水戸事件のたたかいを支える会・事務局長 平島武文(2003/3/20記)

 

       

     

米中学生の反戦の声
(13歳のシャーロッテ・アルデブロンがメイン州の平和集会で話した内容)
    
 アメリカ人がイラクに爆弾を落とすことを考えるとき、頭の中で想像するのは軍服を着たサダム・フセインとか、銃をもった黒い口ひげの兵隊とか、バグダッドのアルラシード・ホテルの玄関フロアに「罪人」と説明つきで描かれた父ブッシュ大統領のモザイク画とかでしょう。でも、知っていますか? イラクに住む2400万人の人たちのうち半分以上は15歳以下の子どもなんです。1200万人の子どもですよ。私と同じような子どもたちです。私はもうすぐ13歳ですけど、もっと大きい子たちや、もっとずっと小さい子たちがいて、女の子ではなくて男の子もいるし、髪の毛は赤毛じゃなくて茶色だったりするでしょう。でも、みんな私とちっとも変わらない子どもたちです。ですからみなさん、私をよ〜く見てください。イラク爆撃のことを考えるときは、頭の中で私のことを思い描いてほしいからです。みなさんが戦争で殺すのは私なんです。
  
 もし運がよければ、私は一瞬で死ぬでしょう。1991年2月16日にバグダッドの防空壕で、アメリカの「スマート」爆弾によって虐殺された300人の子どもたちのように。防空壕は猛烈な火の海になって、その子どもたちやお母さんたちの影が壁に焼きつきました。いまでも石壁から黒い皮膚を剥ぎ取って、お土産にできるそうです。
  
 けれども、私は運悪くもっとゆっくり死ぬかもしれません。たったいまバグダッドの子ども病院の「死の病棟」にいる、14歳のアリ・ファイサルのように。湾岸戦争のミサイルに使われた劣化ウランのせいで、彼は不治の白血病にかかっています。さもなければ、生後18か月のムスタファのように、内臓をサシチョウバエの寄生虫に食い荒らされて、苦しい不必要な死を迎えるかもしれません。信じられないかもしれませんが、ムスタファはたった25ドル分の薬があれば完治するのです。でも、みなさんが押しつけている経済制裁のためにその薬がありません。
  
 さもなければ、私は死なずに何年も生きるかもしれません。サルマン・モハメドのように、外からではわからない心理学的打撃を抱えて……。彼はいまでも、アメリカが1991年にバグダッドを爆撃したとき、幼い妹たちと経験した恐怖が忘れられないのです。サルマンのお父さんは、生きのびるにしても死ぬにしても同じ運命をと、家族全員を一つの部屋に寝かせました。サルマンはいまでも、空襲のサイレンの悪夢にうなされます。
  
 さもなければ、3歳のとき湾岸戦争でお父さんをアメリカに殺されたアリのように、私は孤児(みなしご)になるかもしれません。アリは3年のあいだ毎日、お父さんのお墓の土を手でかき分けては、こう呼びかけていたそうです。「だいじょうぶだよ、パパ。もうパパをここに入れたやつらはいなくなったから」、と。でも、それはちがったみたいね、アリ。そいつらはまた攻めていくらしいもの。
  
 さもなければ、私はルエイ・マジェッドのように無事でいられるかもしれません。彼にとっては、学校へ行かなくてよくなり、夜いつまでも起きていられるのが湾岸戦争でした。でも、教育を受けそこなったルエイは、いま路上で新聞を売るその日暮らしの身の上です。
  
 みなさんの子どもや姪や甥が、こんな目にあうのを想像してみてください。体が痛くて泣き叫ぶ息子に、何も楽になることをしてやれない自分を想像してみてください。崩れた建物の瓦礫の下から娘が助けを求めて叫ぶのに、手がとどかない自分を想像してみてください。子どもたちの目の前で死んでしまい、そのあと彼らがお腹をすかせ、独りぼっちで路上をさまようのを、あの世から見守るしかない自分を想像してみてください。
  
 これは冒険映画や空想物語やビデオゲームじゃありません。イラクの子どもたちの現実です。最近、国際的な研究グループがイラクへ出かけ、近づく戦争の可能性によってイラクの子どもたちがどんな影響を受けているかを調べました。話を聞いた子どもたちの半分は、もうこれ以上生きている意味がないと答えました。ほんとに小さな子たちでも戦争のことを知っていて、不安がっているそうです。5歳のアセムは戦争について、「鉄砲と爆弾で空が冷たくなったり熱くなったりして、ぼくたちものすごく焼け焦げちゃうんだ」と語りました。10歳のアエサルは、ブッシュ大統領にこう伝えてほしいと言いました。「イラクの子どもが大勢死にます。あなたはそれをテレビで見て後悔するでしょう。」
  
 小学校のとき、友だちとの問題は叩いたり悪口を言い合ったりするのではなく、相手の身になって話し合うことで解決しましょうと教わりました。相手の行動によって自分がどう感じるかをその子に理解してもらうことで、その行動をやめさせるというやり方です。ここで、みなさんにも同じことをお願いします。ただし、この場合の「相手」とは、いま何かひどいことが起ころうとしているのを待つしかないイラクの子どもたち全部です。ものごとを決められないのに、結果はすべてかぶらなければならない世界中の子どもたちです。声が小さすぎたり遠すぎたりして、耳をかしてもらえない人たちのことです。
  
 そういう「相手」の身になれば、もう一日生きられるかどうかわからないのは恐ろしいことです。
  
 ほかの人たちが自分を殺したり、傷つけたり、自分の未来を奪ったりしたがったら、腹が立つものです。
  
 ママとパパが明日もいてくれることだけが望みだなんて、悲しいです。
  
 そして最後に、自分がどんな悪いことをしたのかも知らないので、何がなんだかわかりません。

  

       ※ シャーロッテ・アルデブロンは、メイン州のプレスクアイルでカニングハム中学校に通う13歳

         (紹介記事原文は  http://www.wiretapmag.org/story.html?StoryID=15291

       

   

● 解説と資料 ●
   
 原稿を入稿した後、編集責任者より紙面を2ページ増やすことにしたということで新たに1ページ紙幅をいただいたので簡単な「解説」を書くこととしたい。
 米英によるこのたびの戦争は、国際法と国連憲章に反する違法行為である。国連憲章によって攻撃が容認されるのは、自衛権行使(51条)と安保理決議が採択された場合(42条)のみである。
「自衛権行使」とは、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合に」「個別的又は集団的自衛」権の行使を認めると言うことであるが、イラクによって武力攻撃を受けた国連加盟国が存しない今回の場合、自衛権は成立しない。
 アメリカ・イギリス・スペインによって提案されていた「新たな決議」が採択されず、提案国自身によって取り下げられたことは周知の通りである。よって、国連憲章42条による攻撃も成り立たない。
小泉総理大臣は、昨年11月に成立した「安保理決議1441」を根拠に、攻撃は合法的なものであると強弁しているが、まったくのデタラメである。
 そもそも、「安保理決議1441」がイラク攻撃を容認しているものであるのなら、米・英・西は安保理に対して「新たな決議」を提案する必要が無かったわけである。アメリカもイギリスも、「安保理決議1441」がイラクへの攻撃を容認したものでないことを承知しているからこそ、「新たな決議」を提案し、その採択のために必死の工作を行ったのである。しかし、経済援助という買収を受けながらも、いわゆる「ミドル6」が「新たな決議」に賛成しなかったばかりか、査察の延長をもとめる独自の提案を行ったことは承知の通りである。
 マスコミなどがきちんと報道しないので多くの人々には知られていないが、「安保理決議1441」が決議された当日、常任理事国5カ国のうち米英を除く3カ国は、この決議がイラクに対する「自動開戦」を認めるものではないことを確認しておくために、次のような内容の共同声明を発表している。

  
@ 武力行使における全ての自動性を排除する。
A 決議に違反した場合は、第4、11、12項を適用する。(注・「報告」と「安保理開催」をおこなうということ)
B 第11項冒頭に「UNMOVIC委員長およびIAEA事務局長」と書かれているように、「義務不履行」の解釈をするのは、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関(IAEA)である。(注・「義務不履行」を米英が勝手に判断してはいけないということ)

   
 「決議1441」が開戦への「自動性」を含まないと言うことについては、昨年11月11日の衆議院有事法制特別委員会において福田官房長官が次のように明瞭に答弁している。

  
 今回の決議は、さらなる重大な違反があれば安保理に報告され、そして安保理決議の完全な履行の必要性を審議するため、安保理は即時に招集されるという規定があります。・・・米国の代表も、この決議には武力行使に関する隠された引き金も自動性も含まれていない、こういうことを述べておりますので、そのように理解をいたしております。

  
 つまりは、日本政府にとっても「決議1441」がイラクへの武力行使を容認するもので無いことが明らかであったが故に、小泉総理も「新たな決議が採択されることが望ましい」と言ってきたのである。にもかかわらず、小泉総理は今になって、「安保理決議1441」が開戦の法的根拠であると強弁しているのである。戦争とは、為政者のこのような詐欺師まがいのペテンによって合理化されるのである。
このあたりのことについて、いま届いた新聞から国際法学者の見解を参考「資料」として引用しておく。

 

 五十嵐正博・金沢大学教授(国際法)
 攻撃が容認されるのは、自衛権行使と国連安保理決議が採択された場合のみだ。イラクが米英を攻撃したことはなく、自衛権は成立しない。イラクが大量破壊兵器を隠しているか否かは、査察団の報告を受けた安保理のみが決定できることであり、米英が独断で判断することはできない。小泉首相は会見で攻撃支持を表明したが、攻撃は明らかに国際法違反で、小泉政権は国際法違反に加担している。

  

 藤田久一・関西大学教授(国際法)
 戦争は人権否定の最たるもので、国際法上、悪とされる。国連憲章も平和的解決による戦争防止を目指している。憲章で認める武力行使は例外的で、自衛と安保理が決定した場合のみ厳格な条件下で認められる。国連決議による承認のない今回の攻撃は、国際法上は違法だ。

  

(ひらしま)

  

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