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銀玉映す、高齢者の孤独 定年・独居、パチンコ屋へ(1/3ページ)

2010年11月13日

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写真「0.5円パチンコ」の導入店。高齢の客らで稼働率が高いという=大阪府内、青田写す

 パチンコに熱中するお年寄りが増えている。独り暮らしの寂しさを紛らわせるためだったり、定年後の毎日の退屈しのぎだったり。3年前の規制強化でギャンブル性の高いスロット機が禁止され、客離れが深刻になっている業界も高齢層からの集客に「生き残り」への期待を寄せる。一方で、借金を重ねて大金を浪費する依存症が新たな社会問題になろうとしている。

     ◇

 大阪府豊中市の中心部にある中規模パチンコ店。今月上旬、開店時間の午前10時を過ぎると、お年寄りらが次々と来店し、パチンコ玉をはじき始めた。まもなく、あちこちのパチンコ台の液晶画面の数字が三つ並んで大当たり。お年寄りたちは、うれしそうにほほ笑んだ。

 この店の近くに住むという女性(74)は7年前、夫が病気で亡くなった。そのころから週に2回通っている。資金は月約11万7千円の生活保護費。家賃と食費を除いた2万〜3万円をパチンコに充てている。「遊べる身分やないから後ろめたい。けど、ほかにやることもない。毎日、家で誰ともしゃべらずに過ごすのはほんまにつらいから」

 業界関係者によると、2カ月分の国民年金と厚生年金が全国一斉に支給される偶数月の「15日」は通常より多くの客が詰めかけ、台の稼働率が2〜3割上がるという。

 先月15日の東京都内のあるパチンコ店。「オススメ台」の札がかかる台の前を行き来していた女性(79)は、この日は下ろしたばかりの2万円を持ってきた。「お金はかかるが、顔なじみに会って気が紛れるのもいい」と話した。

 公益財団法人「日本生産性本部」(東京)が15歳以上の男女を対象に調査した結果によると、60歳以上のパチンコ遊技人口(推計値)は過去10年間は200万〜300万人で推移していたが、昨年は急増して約430万人にのぼった。遊技人口全体の25%を占めている。

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