ア大会ビリヤード:チャ・ユラム「美しすぎて疲れちゃう」

「美ぼう」が逆にストレス、海外メディアも殺到

写真=李泰景(イ・テギョン)記者

 広州アジア大会ビリヤード女子韓国代表、チャ・ユラム(23)=写真=が15日、ナインボール女子シングルス1回戦で、スハナ・サプトゥ(マレーシア)を7-3で下し、ベスト16に進出した。立ち上がりに3セットを奪われたが、すぐに集中力を取り戻し、7セットを連取して勝利した。

 ナインボールとエイトボールでメダルを狙うチャ・ユラムは、その美ぼうが話題になり、それが大きなストレスになっている。美しさが気に入らないのではなく、外見だけが注目されて人々が殺到するからだ。最近では睡眠も十分に取れないほどだという。

 チャ・ユラムは20歳のときに初めて注目を浴びた。ビリヤードの女王、ジャネット・リーと対決し、「シンデレラ」となった。それ以降、インタビュー依頼が殺到し、インターネットのミニ・ホームページにはファンのアクセスが急増した。だが、それがストレスの種になってしまった。

 さまざまなイベントに引っ張りだこで十分な練習ができなくなった上、以前の所属会社との不当な契約で、金銭面でも損害を被った。撮影したグラビアは、スポーツ選手のイメージを傷付けたと酷評された。その結果、2008年に極度のスランプに陥った。

 チャ・ユラムは、「顔ばかりに注目が集まり、ビリヤードの実力に注目してくれる人がいなかった」と話す。代表のイ・ジャンス監督の思いも同じだった。「あのころ、世間が騒ぎ立てなければ、とっくに世界チャンピオンになっていたはず」

 周囲の視線を避けるために米国へ渡り、練習に打ち込んだ結果、チャ・ユラムは今年初めにようやく本来の力を取り戻した。今年3月のアムウェイ杯世界選手権で優勝すると、フィギュアスターのキム・ヨナ(20)が所属していたマネージメント会社と専属契約を結んだ。

 だが、アジア大会が再び悪夢を呼び起こした。ビリヤードに関する質問はなく、「オルチャン(美女)」という言葉や人気に関する質問ばかり、何百回も耳にした。今回は韓国だけでなく、中国やアジア各国の取材陣が殺到した。

 実の姉(チャ・ボラム)=25=と共に「姉妹代表」として見られることも、ストレスの一因だ。

 このところチャ・ユラムは毎朝、選手村で「心を落ち着ける文章」を読んでいる。2カ月前に体育科学研究院で心理面の治療を受けた際にもらったもので、「わたしは、わたしにだけ忠実だ」「常に自分の能力の範囲でベストを尽くす」などの文章が書かれている。

丁世暎(チョン・セヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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