日本格闘技連盟への不審


日本クラッシュ協会の日本格闘技連盟(10月20日発足)への加入について
 世界の約束事として、例えば、国連等で、日本国の代表として認められるのは一つの代表者のみであって、二つの代表者は認められていない。オリンピックでも内戦で国が分裂している場合は参加はできない。各世界のスポーツ団体でも、一つの国からは一つの代表が認められ、内紛している場合は代表者が決まるまでは、その国の代表としては認められていない。GAISFに世界サンボ連盟として加入しようとした時期があったが、その当時はフランスにもサンボ世界連盟が存在していたため加入は認められなかった。これは当然のことであり、そうでなければ秩序が保たれない。
 さて、前述のことを踏まえて日本クラッシュ協会の日本格闘技連盟への加入について考えたい。
 日本クラッシュ協会が日本格闘技連盟へ加入したそうであるが、そうすると、日本には、『井柳学氏を会長とする日本クラッシュ協会』と『今泉雄策氏を会長とする日本クラッシュ協会』の二つの協会が存在することになり、日本格闘技連盟・日本レスリング協会・JOC(日本オリンピック委員会)はこれを認めてはならないことになる。IOCやOCA(アジアオリンピック評議会)も同様である。

 そもそも日本クラッシュ協会の内紛はいまだ収まっていないし、その内情を今泉氏もよくご存知のはずである。問題の始まりは、当時日本サンボ連盟の傘下に置かれていた日本クラッシュ協会の事務局を担当していた鎌賀氏が事務局自体を私物化したことにある。
 OCA加入の話もなかった当時、今泉氏からも見放された協会を大事にしていたのは鎌賀氏であることは認める。しかし、世界クラッシュ連盟(ウズベキスタン)との連絡事項を全て自分一人で握り、選手派遣等の重要事項を会長・理事長・その他の役員には一切の報告もなく、自分が日本の代表になってしまったことは信義に反するので認められない。
 鎌賀氏に直接事務局を正常な状態に戻すように要求したり、一時は世界連盟の方にそのことを伝え、再三事務局の変更を求めたりしたが、鎌賀氏は、前述の一国には一つの代表を盾にした。鎌賀氏しか知らない世界連盟には真相が伝わらず、正当な主張が受け入れられずに現在に至っている。

 話は今に戻るが、今泉雄策氏を会長とする日本クラッシュ協会を日本格闘技連盟に加入させたことは、鎌賀氏が事務局自体を持ち出したこことになる。日本格闘技連盟と日本クラッシュ協会の事務局を鎌賀氏が担当して、一度は協会を見捨てた今泉氏がクラッシュ協会の会長に納まった図式をみると、IOC・OCA・FILA等の動きに合わせた計画的なものと疑わざるを得ない。持ち出しは鎌賀氏個人の考えか、或いは、裏で糸引いている人がいるのか、いずれにせよ持ち出した事実は消せない。

 スポーツの世界でもお金にまつわるいろいろな事件は起きるが事務局の持ち出しは珍しい。誰でも皆純粋な気持ちでスポーツをやり始めたと思う。それが立場上の利権や特権を手に入れると考えが変わってしまう。変わる気持ちも分からないではないが、いつまでも初心を忘れずにいてほしい。スポーツの世界に限らず、不正を黙認したらどんどん世の中は悪くなってしまう。監督官庁もたどって行けば文部科学省になると思う。アジアオリンピックに選手派遣ともなると税金を使うことになるかもしれない。監督官庁は小さなことも見逃さずにしっかりと監督してほしいものである。

☆間違いがあれば順次訂正していきます。
以上
 
平成21年10月25日掲載
 

TOPページへ