ドングリを集める峰の原高原のペンション経営者たち |
須坂市峰の原高原のペンション経営者10人が20日、高原で集めたミズナラなどのドングリを市動物園に贈った。動物の餌になるドングリが今年は不足しているためだ。
動物園では例年秋、園内に落ちているクヌギやカシのドングリを集め、ホンドリス、ニホンジカ、タヌキ、熊などに与えている。ドングリを餌の中心としているわけではなく、自然界の「旬の味」を楽しんでもらおうとの思いからだ。動物園によると、今年のドングリの量は例年の10分の1にも満たない。
峰の原高原の島村亘区長(49)が、三木正夫市長からドングリが不足していることを聞き、区民に呼び掛けた。島村区長らによると、同高原では今年、ドングリが豊作。数日間で約30キロが集まった。
ドングリ集めに参加した峰の原高原観光協会長の平井斉さん(51)は「困ったときにはお互いに助け合いたい」と話す。受け取った飼育員の笹井恵さん(28)は「今年はこれで十分賄えると思う」と笑顔を見せていた。
今年、県内の木の実は不作傾向。春の低温や夏の猛暑の影響とされ、熊の目撃情報が多くなっている原因の一つといわれる。平井さんは「高原にすむ野生動物の餌まで取らないよう、ペンション周辺で集めた」と話していた。