長期間にわたって海中を潜航することができる海上自衛隊の最新型潜水艦が完成し、15日、神戸市で進水式が行われました。
「けんりゅう」と名付けられたこの潜水艦は、防衛省がおととしからおよそ530億円をかけて建造を進めているものです。船体が完成したことから、15日、神戸市の造船工場で進水式が行われました。「けんりゅう」は、浮上して空気を取り入れないでもエンジンを動かすことができる特殊な装置を備えた最新型の潜水艦で、従来の潜水艦よりも長期間にわたって潜航できます。また、ほかの潜水艦や艦艇から発見されにくくするため、船体のほとんどの部分が音を吸収する材料で覆われているほか、より短時間で周囲の状況を確認できるよう、潜望鏡に高精度のデジタルカメラが取り付けられています。今後、通信装置や電子機器など内部の装備を設置し、再来年の3月には海上自衛隊に引き渡される予定です。防衛省は、ここ数年、東シナ海など日本近海で中国海軍が活動を活発化させていることなどから、監視態勢を強化するため、潜水艦の数を増やす方向で検討を進めていて、来年度予算にも「けんりゅう」と同じタイプの潜水艦の建造費を要求しています。