中国漁船衝突事件映像流出問題 捜査方針めぐり、捜査幹部の間でも意見分かれる
尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出問題で、捜査当局は、43歳の海上保安官について、15日にも逮捕の可否を最終判断する見通し。幹部の間でも、捜査方針をめぐって賛否さまざまな意見があり、難しい判断を迫られることになる。
日本列島を揺るがした映像流出から、14日で10日目となり、一連の流出の経緯が徐々に明らかになってきた。
問題の衝突映像は9月17日、石垣海上保安部が所属する第11管区海上保安本部から、映像分析のために海上保安大学校に送られ、その後4〜5日間、海保大の共有フォルダで、職員は誰でもアクセスできる状態だったという。
海上保安官は10月上旬、巡視艇「うらなみ」の同僚が、このフォルダからダウンロードして、船内のパソコンに保存していた問題の映像を、私物のUSBメモリーを使って持ち出したという。
13日に続き14日も、海上保安官への事情聴取は行われていないが、取調室のあったフロアは、立ち入り禁止となっている。
海上保安官への捜査方針をめぐっては、捜査幹部の間でも意見は分かれている。
ある検察幹部は、「世論はどうなっている? やっぱり、中国人船長を処分せずに、流出させた日本人を逮捕したら非難されるか?」と話した。
また、ある警察幹部は、「義憤に駆られたかのような動機だが、秘密にすべき情報を漏らしているのだから、許すわけにはいかない」と話した。
また、別の検察幹部は、「秘密は秘密だとしても、機密性は高くない。逮捕する事件ではない。見せしめの逮捕はよくない」と話した。
東京地検と警視庁は、15日にも、逮捕するのか任意捜査にするのか最終決定する見通しだが、いずれにしろ難しい判断を迫られることになる。
(11/14 18:12)