10月の朝雲ニュース

10/7日付

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次世代コックピット初公開 
大型画面に様々な情報 同時に複数任務可能

 次世代コックピットの一体化された大型ディスプレー。タッチパネルから自在に情報を引き出し、最新状況を表示することができる(10月1日、都内のホテルで、下も)

 次世代型への変更も可能なFA18E/F戦闘攻撃機のコックピット・シミュレーター

 「対空、対地の複雑な任務もすべてタッチパネルで」――。ボーイング・ジャパンは10月1日、都内のホテルで米FA18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機の次世代コックピット・シミュレーターを米国以外で初めて公開した。
 同コックピットは対空・対地作戦機能を統合した最新のAPG79アクティブ電子走査式アレイ(AESA)レーダーによる各種情報や、僚機・空中警戒管制機・イージス艦などからのネットワーク情報を大型パネルに表示できるのが特徴。
 公開された戦闘機コックピット・シミュレーターは複座型で、前席が最新型FA18、後席が次世代型コックピット。次世代型の前面パネルは横19インチ(48センチ)、縦11インチ(28センチ)、面積207平方インチ(526平方センチ)と、従来機の3倍近い面積で小型テレビほどの大きさがある。全面タッチパネル式で、必要に応じて画面を分割、ウインドーにより各種情報を同時に表示できる。
 機能は市販のタブレット型情報端末「iPad(アイパッド)」に似ており、指で画面にタッチして情報を引き出す。例えば、対地攻撃ではAESAレーダーがとらえた対地目標周辺画像を全面表示し、所要の個所に2本の指を当ててクローズアップすれば、施設の形状や周辺に配置された対空火器などが目視確認できる。
 さらに対空レーダー画面を引き出せば周辺空域の飛行物体が表示され、後方の早期警戒管制機やイージス艦が捕捉した最新情報などもネットワークを介して表示、パイロットは各種情報の支援を受けながら作戦にあたることができる。この結果、対地任務をこなしながら、同時に接近する敵機やミサイルへの対空戦も余裕をもって行える。
 この日の展示では、米海軍の元テストパイロットが次世代コックピットに座り、将来戦の戦い方を具体的に説明。ボーイング社では次世代コックピットがパイロットの高度な状況認識に寄与し、複数の任務を同時にこなすことのできる新たな能力を付与してくれるだろうと述べている。