強姦(ごうかん)被害を実名で記した「性犯罪被害にあうということ」の著者で、被害者支援にも取り組んでる小林美佳さん(35)を招いた講演会が13日、佐賀市本庄町本庄の佐賀女子短大で開かれ、約250人が参加した。
小林さんは00年、2人組の男から強姦被害を受けた。08年、事件後の生活をありのままにつづった同書を出版。現在は東京都内で働きながら、全国で講演をしたり、ホームページを通じて相談に応じたりして、支援に取り組んでいる。
小林さんは講演で、相談を受けている被害者の多くが「理解してくれる人に会いたい」という声を寄せていることに触れ「身近に被害に遭った人がいたら、真正面から向き合い、認めてほしい。被害者を一番に考え、向き合ってくれることを最も望んでいる。みなさんも、そういう方であってほしい」と声を震わせながら呼びかけた。
講演会には、07年の武雄人違い射殺事件の遺族である宮元篤紀さん(38)も参加。「同じ犯罪被害者として、何かできることがあればと思いながら講演を聞いた」と話していた。【蒔田備憲、田中韻】
毎日新聞 2010年11月14日 地方版