佐賀市で07年、知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、県警巡査長、松雪大地被告(30)が特別公務員暴行陵虐傷害罪に問われた審判の4日の第6回公判。娘らと現場交差点を車で通り掛かり、近くの飲食店駐車場に停車後、歩道などから目撃した女性に、検察役弁護士が証人尋問した。
【交差点で信号停車から飲食店駐車場に駐車するまでの状況】
検察役 赤信号で停車時、何か目撃したか。
証人 パトカーと人。
検察役 3人か。
証人 もっといた。
検察役 停止線から一番前に止まっていたか。
証人 一番前ではなかった。
検察役 右折中に何を見たか。
証人 警察官と男性、ギャラリー。
検察役 警察官と安永さんの3人は立っていたか。
証人 はい。
【駐車場に車を止め、現場近くの歩道で目撃した状況】
検察役 現場へ行き、次に見た時、3人は。
証人 変わっていない。立っていた。
検察役 途中、どんな時に目を離したか。
証人 片方(の手)に(手錠を)掛けた(状態を確認した)後は見てない(時間がある)。
検察役 どこかに動いたか。
証人 車を止めたところに行き、顔なじみの人がいて話して、(再び元の位置に戻り)途中で怖くなって見たくない状況に。
検察役 見たくない状況とは。
証人 安永さんがウワーと言って、私から見て逃げる方向にあり、飛びかかってくる様子があったので、怖くて逃げた。
検察役 移動時、3人の状況は。
証人 立っていて、警察官が安永さんに説得して、安永さんがワーと言った。
検察役 (他の地点に)移動した後、見ていたか。
証人 見てない。
検察役 その後、元の位置まで戻ってきたのか。
証人 はい。
検察役 戻って目にした時の3人の行動は。
証人 片手に手錠が掛かっていた。
検察役 3人が立っていて、その後、見ていなくて(元いた地点に)戻ると手錠が掛かっていたのか。
証人 はい。
検察役 手錠を掛けられるのは見てないのか。
証人 はい。
検察役 警察官が無線をした様子を目撃したか。
証人 見てない。
検察役 安永さんがあおむけになっているのを見たのは。
証人 最後だけ。
検察役 呼吸がおかしくなっているのがうつぶせか。
証人 その時しか見てない。
検察役 見てない時間は長かったか。
証人 長いと言っても5分くらいと思う。
(歩道などで目撃した女性の証人尋問は終了。次回は第7回公判のある今月17日以降に掲載します)=つづく
毎日新聞 2010年11月14日 地方版