佐賀

　◇安永さんの顔が青白く

　佐賀市で０７年、知的障害者の安永健太さん（当時２５歳）が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、県警巡査長、松雪大地被告（３０）が特別公務員暴行陵虐傷害罪に問われた審判。４日の第６回公判で、娘、知人男性と現場交差点を車で通り掛かり、近くの飲食店駐車場に駐車し歩道などから目撃した女性に、被告側弁護士が証人尋問した。

　【現場交差点を東から北へ右折し、飲食店駐車場に停車してからの状況】

　弁護士　右折後は。

　証人　飲食店駐車場北側に車を止め、３人で歩道橋の際まで見に行った。

　弁護士　階段から見て東西南北は。

　証人　北側。

　弁護士　みんなで行ったか。

　証人　はい。並んで。

　弁護士　歩道橋北側に立っていた時、安永さんと警察官はどこにいたのか。

　証人　階段一番下付近の歩道。

　弁護士　証人と安永さんの距離はどのくらいか。

　証人　１～２メートル、２メートルくらい。

　弁護士　安永さんは立っていたか、座っていたか。

　証人　立っていたと思う。

　弁護士　証人と安永さんとの間に遮るものはあったか。

　証人　いいえ。

　弁護士　（安永さんが）手を動かしていた様子は。

　証人　頻繁に動かしていた。払いのけるような様子。

　弁護士　警察官は安永さんの動きにどう対応したか。

　証人　手をつかんだり。

　弁護士　立っている状態から、この３人の動きをどういうふうに見ていたか。

　証人　私が途中で車の方に動いたりとかで見ていないものもあった。

　弁護士　証人が見ている限り、その次の場面はどんな様子だったか。

　証人　次に見たのは（別の位置から）戻った時で、手錠を掛けられているところを見た。

　弁護士　安永さんがあおむけになっている様子は。

　証人　見ている限りではない。

　弁護士　片手に手錠が掛かっている様子を見たか。

　証人　はい。

　弁護士　どんな体勢か。

　証人　うつぶせで右手を体の後ろに。

　弁護士　片方の手錠は安永さんに掛けられていたが、もう片方は。

　証人　警察官が持っていた。

　弁護士　安永さんが手を振る、暴れるのは。

　証人　覆面パトカーが来たので、それに気を取られて見ていない。

　弁護士　警察官が安永さんをグーで殴るような場面は。

　証人　見てない。

　弁護士　立っていた時を含めてあったか。

　証人　見てない。

　弁護士　覆面パトカーが来たその後は。

　証人　動かなくなるところしか見てない。

　弁護士　その後は見ていないのか。

　証人　もう１台、パトカーが諸富方向から来た。安永さんは寝たままで体は東を向いていて、警察官が「大丈夫か、しっかりしろ」と声をかけ、私の方を見た時は、顔が青白くなっていた。

　弁護士　このいきさつの中、警察官がグーで殴ることは。

　証人　ない。

　弁護士　覆面パトカーから男女が降りてきて、男性が現場に来た時、手錠は掛かっていたか。

　証人　４人になった時、手錠が掛けられていたかあいまい。

　弁護士　右手に先に（手錠が）掛かり（その後）覆面パトカーが来たというのが記憶は強いか。

　証人　はい。＝つづく