【社説】大韓民国の新たな姿を世界に示そう
きょう開幕する主要20カ国・地域(G20)首脳会議をきっかけに、世界の注目がソウルに向けられている。これは、1988年のソウル五輪や、2002年のサッカー・ワールドカップ(W杯)韓日大会をも思い起こさせる一大イベントだ。しかし、G20首脳会議はスポーツの祭典ではなく、世界経済の枠組みを取りまとめる場だ。今回の首脳会議にはG20加盟各国、各地域の代表として招待された5カ国、国連、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、国際労働機関(ILO)など七つの国際機関の代表33人が出席し、一つのテーブルを囲んで為替問題や貿易不均衡、金融セーフティーネットの構築、開発途上国支援など、世界の重要なテーマについて議論する。
期間中は各国の代表団4000人以上、多国籍企業のトップや外信記者1700人以上を含む、合計1万人以上がソウルに集結する。各国首脳や国際機関の代表らはG20首脳会議とは別に、それぞれ2国間会談にも臨む予定で、この種の会談は、今回だけで数十回は行われる見通しだ。
G20がスタートした背景には世界的な金融危機があった。1998年のアジア通貨危機をきっかけに、翌99年からG20財務相・中央銀行総裁会議が始まり、2008年9月のリーマン・ショック直後の11月には、ワシントンで初のG20首脳会議が開催された。大韓民国は98年のアジア通貨危機の際、IMFからの緊急支援のおかげで国家が破たんするという最悪の危機は免れることができた。そして今回、その大韓民国に世界の主要国や国際機関のトップが集まり、世界経済の新たな枠組みについて議論するのだ。米国や欧州以外の国でG20首脳会議が開催されるのは初めてとなる。大韓民国は昨年まで援助を受ける側だったが、そこから一気に援助をする国に成長したのに続き、さらに進化した新たな姿を世界に示すことのできる絶好の機会を得たというわけだ。
韓国は88年にはソウル五輪、02年にはサッカーW杯を成功させ、世界の中心国家へと一歩ずつ成長してきた。G20はかつて韓国で開催されたアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議やアジア欧州会合(ASEM)とは、規模も次元も異なる。APECとASEMが地域協力のための会議だとすれば、G20は世界の基本秩序について議論する協議体だ。大韓民国は今回は議長国として、世界を左右する国々の利害関係や対立を調整する能力を示し、世界に向けて自らのリーダーシップを発揮する場としなければならない。今後、東アジアでの多国間安全保障、韓半島(朝鮮半島)平和、北朝鮮の核問題といった懸案を解決していくには、G20のような世界の中心舞台で外交能力を発揮する必要があるからだ。
米紙ニューヨーク・タイムズは、「多くの韓国人は韓国が世界経済の主役となった事実をあまり理解していないようだ」と指摘した。今回のG20首脳会議には、すべての国民が誇りと責任感を持って協力しなければならない。