北朝鮮、国連制裁をすり抜け武器を輸出(下)

安保理専門家が報告

 国連による制裁の対象が、北朝鮮の8組織および5人の人物に限られていることも、問題として指摘された。報告書は、「制裁対象となっている朝鮮鉱業開発貿易会社に代わり、グリーンパイン・アソシエーテッドが北朝鮮の武器輸出のおよそ半数を担っている」と述べた。

 しかしその一方、同報告書は「国連の制裁措置履行の水準に、一部格差があるとはいえ、制裁措置は意図した通りに効果を挙げており、北朝鮮の武器輸出もやる意味のあるレベルにまで抑制された」と主張した。

 今回の報告書は今年5月に作成されたものだが、哨戒艦「天安」沈没事件が発生してから間もない時点でこうした報告書まで公開した場合、南北関係によくないという理由で中国が反対し、その影響で6カ月にわたり埋もれていた。しかし中国は、自国と関連があると考えられているスーダン・ダルフール地方への武器禁輸措置履行状況の監視報告書が優先的に公開される可能性があると知り、今回の北朝鮮関連の報告書公開を黙認したという。

 専門家パネルには韓国のほか米国、イギリス、中国、フランス、日本、ロシアの代表が参加、昨年7月から今年5月まで活動し、報告書を作成した。

 北朝鮮は、2006年と09年にそれぞれ核実験を実施、国連安保理決議第1718号と第1874号により、武器やぜいたく品の輸出入が全面禁止される制裁措置を受けている。

ニューヨーク=朴宗世(パク・チョンセ)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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