『あ…ありのまま 今 起こった事を話すわ!
私は電車の前にとびだして目をつぶって来るべき衝撃に備えていたと
思ったらいつのまにか遺跡?みたいな所の真ん中にいた!
催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてない。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わった・・・・。』
・・・・・・・・落ち着け!自分ッ!
一瞬、雅にぃがリスペクトしている漫画の一文が頭をよぎった。
夢か?とも思ったのだけど、辺りの臭いや埃っぽさ、
それに人とドラゴンの存在感は夢であるはずが無い。
大剣を構えた戦士風の男の人と魔術師風のお姉さんに杖を持った神官風の女の子
そして、弓構て矢を引いたまま止まっている男の人
後は、見間違えで無ければ、きぐるみ?デカイ斧を持った虎の顔をした人!?
みんな一様にびっくりして目を見開いている。
すごくファンタジーな世界で、別にこれが天国って状況でもなさそうだ。
最終的に行き着いたのが私のこの結論がこれだった。
「え?あれ・・・どういう状況?どっきり?」
━━━━━ 異世界って何?おいしいの!? 第3和 ━━━━━
『,onotime imakemakumakono!!』
うぁ。
私の一言を切欠に時間が止まったかの様名な間が動き出してしまった。
『ESUMETAFUTAYU、MA-KOSEYUEYUAMA!! shiokoma tema!!』
『tenoino,anoteno!!』
『,afu !!』『,INO sema・・・、kunokame,ame!!』
「え?なに?」
『,chi!!』『sunnnnnnnn!!』
神官風の女の子が何かを呟いた瞬間
広場の真ん中にいた私の周りを風が舞った。
戦士風の男の人と虎の獣人が咆哮と共にドラゴンへ踊りかかった。
ドラゴンの尻尾を避けた弓矢を構えた人がお返しとばかりに矢を放つ。
あっけにとられていたら。
『asema,ama! shimaeno,ama esufuameonofukeme!! 』
私は切羽詰った感じの魔術師風の女の人に腕を引っ張られた。
「あ、すみません!邪魔ですよね。」
『ima,afusema!!』
「ぇ、こっちですか?」
言葉が全然解らない。
今の言葉はニュアンス的に今のは『こっちだ!』って感じた。
全然、英語などとも違うみたいだ。
有馬家は、外国人の門弟さんや知り合いがいるので英語以外にも接する機会が多々あるのだけれど。
よく聞いてみてもまったくどれとも符合しない。
『,iyu、SHINOTAYUKEMA inotenoesufuame!! 』
「すごい・・・。」
それに今の、魔術師風の女の人がドラゴンの炎を氷で打ち消した。
いきなり、紙を破いたと思ったら中空に魔法陣が描かれ、そこから出たと思考は出来た。
でも、理解出来ない。もう完全に魔法としか思えない。
私自身こんな状況でもパニックにならないのを褒めてやりたい。
結構図太い神経をしているようだ。
なんて考えているうちに気持ちも落ち着いてきた。
暴れるドラゴンとそれと戦う5人組み
そして、この場の殺伐とした雰囲気。
間違いなくこれは現実で起こっていることなんだ・・・。
どっきりだとか夢だとか言ってる状況じゃ無いって事も肌で感じれた。
『・・・,ono~fu,!!』
尻尾の一撃で床が飛散!
それを防いだ戦士風の男の人は足が止まってしまいドラゴンの一撃を貰ってしまった!
大きめのツーハンドソードでカバーしたとしても威力と体重差はカバー出来ない。
吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられて崩れ落ちてしまった。
『IYUTANOYUEYU!!』
拙い!神官風の女の子が気をとられてしまった、
弓矢の男の人が矢、お姉さんが魔法で注意を引こうとするが間に合わない!
「あぶない!」
『!!』
ドラゴンの爪が女の子を襲った。
―――ズシャ!
刹那、飛び出した虎の獣人が女の子を庇って地面に転がったり
魔法と矢の援護を受けて安全圏まで無事退避した。
女の子の無事を確認した後、武器を構えるのだけど
無事ではすまなかったようで鎧が裂けて左わき腹から血を流していた。
とりあえず、この状況は歯がゆい。
何とかしないと、何か、私に出来ることは何か!
side Wizard
アグニ砂漠のはずれで発見された古代文明の遺跡調査とその学者先生の護衛。
それが私達に課せられたクエストだ。
まず王都で宮廷学者という荷物を受け取る。
そして、アグニ砂漠入り口にある商業都市カイエンに向かう。
大陸イザヴェルにおいて貿易の中心地点であるカイエンでなら
揃わないアイテムも無い、準備も楽に整えることができる。
パーティーの面子も最高の状態で、
幼馴染の獣人 バルド、
バルドの同僚で友達の傭兵の クラウス、
クラウスの相方で神官の シェリル、
バルドとクラウスの同僚でレンジャーの オーギュスト、
そして、魔術師の 私 。
全員がBクラス以上の熟練者だし、何度も組んだことがあるので実力も把握している。
アグニ砂漠踏破も楽にこなせるし、出てくる魔物も相手にならないだろう。
最近アグニ砂漠を行き来する商隊を騒がせている 巨大砂蟲 でも出たなら割に合わないだろうが。
今回のクエストは遺跡調査だ、相手にする必要はない。
遺跡に着いたからも遺跡自体は発見された時に
ギルドがあらかた調べられているので罠や魔物も少ないだろう、
A級レンジャーのオーギュストがいる事だし十二分に用心は出来ている。
後は、私自身がこのクエストを受けた本当の理由。
私の研究の為の遺跡調査だ。
およそ8000年前に滅びた王国 『 エリュシオン 』、
天帝ゼピュロスが支配した黄金の国。
魔法とは別の力を使っていたとか、星すらも支配したという説もある。
私の手に入れた碑文に今回の遺跡を当てはめてみると、
発見されたのはエリュシオンの『道』を祭った神殿ということだし。
なんにせよ、私にとっては渡りに船だったわけ。
予想したとおり、遺跡の中心部まではさしたる出来事も無く到着できた。
商業都市カイエンまでの移動途中に盗賊とエンカウントだとか、
アグニ砂漠では砂鮫に襲われたくらいで、
まあ、そのときの学者のニコルさんの錯乱状態が一番骨が折れたかしら、
実際は、バルドに殴ってもらって静かにしてもらったんだけど・・・。
遺跡内部でも罠なんて無かったし、住み着いていた魔物も
死霊やガーゴイルなどはおらず、
ヒューマンキャッチャーの亜種(馬鹿みたいに大きい蜘蛛ね)や 鎧蠍程度だった。
「・・・ん? 行き止まりみたいだな。」
バルドが立ち止まり辺りを見渡し呟いた。
「ここが中心部か・・・、すばらしい。」
ニコルさんが部屋の中心部の床鏡を調べ始めた。
「おい、爺さんあんまりいじるよ。」
「すごい広いですねぇ~。」
「気をつけろ、まだ全部調べたわけじゃない。」
オーギュスト、シェリルに続きクラウスも続く。
私は部屋を注意深く観察し始めた。
「で、お目当ての物だったのか?」
「ぇぇ、多分神殿で間違いないわ。
ついてきてくれて、バルドありがとう。」
「お前のわがままは今に始まったことではないからな。」
広大なドーム状の大広間、その中心部の床鏡から部屋中に描かれた紋様。
儀式的な何かが行われていたのは確かだ。
ただ、魔法とは違うようだが。
「で、あのじいさん調べているのが祭壇か?」
「いいえ、この部屋が自身が祭壇なんじゃないかしら。
多分、ニコルさんが調べているのが・・・」
―――グラッ・・・・・。
揺れた?
「起動したじゃと!」
耳を疑った。
『 ホールの起動を確認・・接@エラー・・・接続を続行、エラー
別シークエンス移行・・・ホール内の○△Σ・・ガガッ・・
違法□続を発○・・・ガードを起Θ確・・引き続Ωホ・ルのψ索を・・・・。』
「起動したですって!?」
ノイズまみれの声が途切れた瞬間。
すさまじい魔力の渦が部屋の中心部、
ニコルさんの頭上に現れ、それが姿を現した。
ドラゴン !!
悪魔、不死者に比べれば総魔力は劣るものの
単純な力、耐久力、特異製なでは他の追随を許さない。
世界の頂点に立つ超越種。
「こ・・こんなっ!ぎゃぁッ!!」
現れたドラゴンに私の投げナイフとオーギュストの矢で対応するも
むなしくニコルさんは潰されてしまった。
依頼料金がパァーじゃないの!
ってそんな場合じゃない!
30mとか50mクラスの神代の龍族でなくてよかった、とはいえ大きさは14m位で。
ドラゴンからしたら小ぶりな方だといっても、この面子で勝つのはしんどいだろう。
それに、逃げるにしても遺跡周辺は砂しかない。
こんなことなら楽なクエストだからってスクロールや魔薬ををケチるんじゃなかったわ!
生きて帰れたらこれを教訓としよう・・・。
ドラゴンが低く体を構えた。
「くるぞッ!!」
クラウスが合図する。
ッ決心するしかないみたいね。
シェリルが加護を詩い始め、
私は詠唱と同時に保険の為、スクロールにも魔法を組み込んでおく。
後は破るだけで発動するんだけど、持っている数も少ないし値段が高いのよ・・・・。
やっぱり、ドラゴンの名前は伊達じゃないわね。
それとも魔法に耐性があるのか中級魔法じゃ傷一つつかない。
詠唱に時間をかければ何とかなるかだけど、
さっきからブレスを封じるための氷精の魔法で手一杯だ。
クラウスとオーギュストも頑張っているけど鱗に阻まれている。
バルドは流石獣人、重たい戦斧の一撃はドラゴンにダメージを与えている。
バルドの攻撃をいやがり、ドラゴンが口に炎をためて吐かんとした瞬間、
『・・・・10340 △□Σルの接続を確認、起動します・・。』
「!」
部屋の紋様が眩い光を発し、
――――――――――――ガシャッァァン!!
世界が割れた様な音が響いた。
side end
to be next time
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しばらく時間を置いて読み直し
再度修正する予定です( ノД`。)・゚。
次回、さつき無双!!予定ですw
途中の異世界言葉の翻訳ですが。
『ッなぜ子供が!!』
『シェリル、オーギュスト!!援護を!!』
『わかったわ!』
『っち!!』『 風よ・・。守って!!』
『ちょっと、ボサッとしてないで!』
『こっちよ!』
『く、バルドかわして!』
『なに!』
『クラウス!』 って感じです(´・ω・`)