犯罪被害者:つらさ癒やして10年 自助の会「緒あしす」

2010年9月17日 15時0分

 両親を殺害された名古屋市の青木聡子さん(47)らが00年につくった犯罪被害者自助グループ「緒(お)あしす」が19日で発足10年を迎える。これまでに東海3県などから50人を超える人々が参加した。今も10人前後の人々が月1回の例会に集い続ける癒やしの場だ。【福島祥】

 8月28日午後。同市中区で、犯罪被害者家族と臨床心理士ら13人がテーブルを囲んだ。まだ容疑者が逮捕されていない人、被告が公判中の人、判決が確定した人。さまざまな境遇の男女が毎月、近況を報告し合ったり、悩みを打ち明ける。

 例会の前日には、東京拘置所の刑場が公開された。家族を殺害した被告の判決を待つ男性は「(死刑制度存廃議論が)量刑に影響することはないのか」と不安を語った。

 事件に突然、巻き込まれた被害者や遺族にとって、警察捜査や刑事裁判は分からないことばかりだ。緒あしすでは、被害者たちが情報交換することで、互いの大きな支えとなってきた。参加して9年目の女性は「最初は涙、涙で何も話せなかった。でも、皆さんにいろいろと教えてもらえた。感謝しています」と振り返る。

 青木さんが両親を失ったのは96年7月。事件後、富山県で活動する自助グループに参加した。自己紹介はしたものの話し続けることができず、黙り込んでしまった。涙を流し、加害者への怒りをあらわにしたことも。「そんな時を経て、こういう場所が必要だと思った」と振り返る。事件から4年、緒あしす設立を発表すると、翌日には「私も同じ思いでした」「ぜひ行きたい」などと書いた何通ものファクスが届いた。

 事件解決のためのビラ配りを手伝ったり、署名活動の支援もするが、今後も傷ついた人々が語り合い、癒やし合う自助グループの姿勢は変えないつもりだ。青木さんは「いろんな人が集い、水を飲んで少し癒やされ、次はどちらに進もうかと考えるオアシスとして大事にしていきたい」と話している。

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