横浜市で開かれている、APEC=アジア太平洋経済協力会議の閣僚会議は、11日、2日目の討議を行い、中国からレアアースの輸出が滞る問題が続くなか、新たな保護主義的な措置はとらないことなどを盛り込んだ共同声明を採択する見通しです。
APECの閣僚会議は、2日目となる11日、議論の成果をまとめた共同声明が採択されます。これまでに固まった共同声明案によりますと、「世界経済は回復の途上にある一方で、この先、保護主義的な圧力が強まる懸念がある」と指摘しています。そのうえで「保護主義の抑止に向け、2013年末まで新たな輸出制限などの措置をとらないことで加盟国が合意する」としています。中国からレアアースの輸出が滞るなかで、名指しを避けながらも、資源や食料などの輸出制限は保護主義的な動きであると位置づけ、こうした動きに歯止めをかけようという内容です。共同声明には、このほか、▽域内の貿易を活発化するため、荷動きを一目で把握できるICタグの普及などを通じて、2015年までに物の移動にかかるコストや時間の10%減少を目指すことや、▽LED=発光ダイオードなど、環境関連製品について共通の省エネ基準を策定し、普及を図ることなどが盛り込まれる見通しです。