横浜市で開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の閣僚会議は、中国からレアアースの輸出が滞る問題が続くなか、新たな保護主義的な措置は取らないことなどを盛り込んだ声明を採択して閉幕しました。
APECの閣僚会議は11日、議論の成果をまとめた声明を発表して閉幕しました。それによりますと「世界経済は回復の途上にあるが、APECが対応しなければならない問題の対象も著しく拡大した」と指摘しています。そして、声明の中では「新たな輸出制限を課すことなどを控えるとして、APECが2年前に合意した事項を2013年末まで延長することに合意した」としています。これは、中国からのレアアースの輸出が滞るなかで、名指しを避けながらも、資源や食料などの輸出制限は保護主義的な動きであると位置づけ、こうした動きに歯止めをかけようというものです。また、APECの主要なテーマである経済統合の実現については、声明の中で「域内での自由貿易圏の構築に向けて具体的な措置をとることが重要で、閣僚間での討議の結果を首脳に報告する」としています。今回の会議について、共同議長を務めた前原外務大臣は「アジア太平洋の将来像について認識を共有することができたのは、非常に大きな成果だ」と述べました。また、同じく共同議長を務めた大畠経済産業大臣は「それぞれの国の課題を踏まえながら共通した認識を持ち、前に進むために、たいへん有意義な協議だった」と述べました。APECは、13日からは首脳会議が開かれ、経済統合や成長戦略など主要テーマをめぐって意見が交わされ、14日に議長を務める菅総理大臣が「横浜ビジョン」という首脳宣言を発表することにしています。