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【主張】APEC議長 真の国益とは何か考えよ

2010.11.12 04:17
このニュースのトピックスG7・G20・APEC

 15年ぶりに13日から日本で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で議長を務める菅直人首相は、内外から期待される重責を果たせるのだろうか。

 11日閉幕した閣僚会議で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をどのように域内全体の自由貿易圏形成に活用するかの結論は、首脳会議に委ねられることになったからである。

 肝心の菅首相は農産品の市場開放阻止を訴える国内反対派への配慮からTPP参加に踏み切れず、判断を先送りした。これでは米中など21カ国・地域の首脳が一堂に会する場で、どこまで議長として指導力を発揮できるか極めて心もとない。首相はTPP参加に明確な姿勢を示さなければ首脳会議を乗り切れないと認識すべきだ。

 APECという国際舞台を控えた時期に、菅政権は尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件、さらにロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問という衝撃に直面した。その対応は、尖閣諸島や国後島が日本固有の領土であると主張するよりも、中国やロシアの対日強硬姿勢を軟化させることに汲々(きゅうきゅう)としてきたようにも見える。

 APECの機会に日米、日中、日露という重要な二国間で首脳会談を設定するのは重要だ。だが、会うことだけに腐心するあまり、会談で何を議論し、何を達成するのか、国益に基づく戦略が欠落していないか。

 尖閣諸島沖事件の真相を伝えるのに不可欠な海上保安庁撮影のビデオ映像を一般公開しない菅政権の対応はその最たる例である。

 また、中国が各国に対し12月10日にノルウェーで開かれる民主活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞授賞式を欠席するよう求めていることへの対応も不可解だ。

 米仏独などが「出席する」と明言しているのに対し、前原誠司外相は「適切に判断したい」と歯切れが悪い。

 出席を表明すると日中首脳会談が見送りになりかねないと心配しているからだろう。そうした過度の配慮がかえって日本外交の弱さを露呈し、つけ込まれている。

 APECを日米同盟を基軸として日本外交を立て直す機会にしなければならない。だが、表面上の成功を演出するだけでは、何も実現しない。菅首相は多国間の枠組みを活用し、具体的な国益増進のための努力に専念すべきだ。

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