アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため日本を訪問中のロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領は横浜で、日本の菅直人首相と会談し、露日関係について意見を交わす。
メドヴェージェフ大統領が南クリル諸島(北方領土)を訪れたことに関連し、この会談には大きな注目が集まっている。ロシアのプリホチコ大統領補佐官は、「大統領の国後島訪問を露日首脳会談の克服できぬ障壁となるべきではない。われわれは菅首相との会談を前向きにとらえていることを日本に伝えた」と述べ、あらゆるテーマで協議を行う用意があるとした。
メドヴェージェフ大統領は11月1日に国後島を訪問。日本政府はこれをきわめて遺憾とする声明を表した。また前原誠司外相は「訪問は日本国民の感情を傷つけた」として、ロシアのミハイル・ベールイ駐日本大使を呼び出し、抗議した。
一方、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は日本のこうした措置は受け入れがたいものだとし、国後島訪問についてについては、「クリル諸島はロシアの領土。ロシアの大統領がロシアの領土を訪れたもの」と指摘した。
メドヴェージェフ大統領はAPECサミットの枠内で、米国のバラク・オバマ大統領、チリのセバスティアン・ピニェラ大統領とそれぞれ会談する。