日米首脳会談、同盟深化で「共同ビジョン」策定へ

2010年 11月 13日 17:04 JST
 

 [横浜 13日 ロイター] 菅直人首相は13日午前開催された日米首脳会談で、2国間および環太平洋経済連携協定(TPP)を含むアジア太平洋地域の貿易自由化について「各国と協議を開始したい」との意向を表明、オバマ大統領も「歓迎したい」と応じた。

 また、国連の安全保障理事会改革をめぐる問題では、オバマ大統領から日本は常任理事国入りの資格があるとの見解が示された。会談では日米同盟の深化・発展に向けて来春の菅首相の訪米時に「共同ビジョン」を打ち出すことで合意した。

 首脳会談は午前10時半から約1時間にわたって横浜市内で行われた。

 会談では冒頭、日中および日露間で起きた最近の外交問題について、菅首相が米国のサポートに対して謝意を表明。オバマ大統領は、日本の防衛に対する米国の決意は「揺るぎがない」と述べるとともに、新たな時代に即した日米同盟の深化が必要との見解を示した。こうした日米同盟の深化・発展に向けた共同ビジョンを来春の米国での日米首脳会談で打ち出すため、協議をスタートさせることでも合意した。

 台頭著しい中国については、経済的な発展を歓迎する一方、「国際社会の一員として、国際的なルールの中での適切な役割と言動が重要」との認識で一致した。

 また、日本の国連常任理事国入りに対してオバマ大統領は「日本は国連においていろいろな貢献をしている。日本は常任理事国入りをすべきような模範的な国だ」と日本の常任理事国入りを支持する見解を表明した。 

 会談では、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の主要テーマである経済連携も議論され、菅首相が先に閣議決定した「包括的経済連携に関する基本方針」を説明。日米2国間やTPPを含むアジア太平洋地域の貿易・投資の自由化について「情報収集を含めて各国と協議したい」との方針を語り、これに対してオバマ大統領からは日本の姿勢を歓迎するとの意向が示された。

 菅首相は、13日午前、APEC首脳会議に先立って行われたAPEC最高経営責任者(CEO)サミットでのあいさつで、TPPの交渉参加に向けて「関係国との協議を開始する」と表明。アジア太平洋地域を中心に「高いレベルでの経済連携」を進めるため、「平成の開国」を実現すると語った。

 (ロイターニュース 伊藤純夫記者 基太村真司記者)

 
 
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