菅直人首相は13日夜、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため来日したメドベージェフ・ロシア大統領と横浜市内で約40分間会談した。大統領が1日に北方領土の国後島を訪問して以降、日ロ関係は悪化。首相は会談で、日本の警告を無視する形で大統領が北方領土を訪問したことに対し、遺憾の意を示したとみられる。
両首脳の会談は、6月のカナダ・トロント以来2回目。冒頭、首相は「(会談が)相互信頼に基づく本格的な対話の開始となることを期待している」と表明。大統領は「会談で信頼関係の基礎をつくることができることを期待している」と応じた。
首相は会談で、北方四島が日本固有の領土であるとの立場を改めて伝え、平和条約交渉の継続を主張する考えだ。
首脳会談では両国の経済協力も議論されたとみられる。12日には、予定されていた日ロ政府間の経済協力に関する覚書の締結が「現在の状況では適当でない」(大畠章宏経済産業相)との理由で見送られており、同覚書に関しても取り上げられた可能性がある。
[時事通信社]