APEC首脳会議、通貨の柔軟性必要との見解も=日本政府筋

2010年 11月 13日 20:13 JST
 

 [横浜 13日 ロイター] アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は13日、初日の討議で世界経済は予想以上に回復しているが、脆弱だとの認識を示した。通貨の柔軟性が必要との議論も行われた。日本の政府筋が明らかにした。

 この日の討議でAPEC首脳らは、世界経済は思った以上に回復しているが、まだ脆弱なものであると認識。APEC域内で、内需拡大や経常収支の適正化、域内の格差是正という「3つのバランス」を取る必要があるとの議論が進んだ。

 世界経済のリスクとしては、欧州のみにとどまらない国の債務問題や、雇用に改善の兆しが見られないこと、金融セクターに不安があるなどの声が上がった。経済成長も新興国は相対的に高いが、日米などの主要国は弱さが指摘された。

 通貨問題をめぐっては、複数の首脳が柔軟性が必要だとの認識を示した。しかし、この日は主要な論点にならなかった。

 APECが導入を目指しているアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)については、実現へ向けたプロセスとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓(ASEANプラス3)や環太平洋経済連携協定(TPP)などを推進することが重要との指摘があったという。

 討議の冒頭、菅首相は「アジア太平洋地域の成長をより確固たるものとするため、共通の戦略を策定したい。APECは貿易投資の自由化・円滑化をさらに深化させなければならない。その一環としてFTAAPへの道筋を探し出したい」と発言した。

 
 
 
 
 
 
Photo
 

ロイターオンライン調査

写真

この件で、あなたがもっとも心配することは

日中関係のさらなる悪化
情報管理体制の甘さ
政府が情報を隠すこと
日本の領土・領海を外国から守れるか
写真

米国の量的緩和政策をめぐって新興国から批判的な声があがるなど、G20サミットに向けたさや当てが続いている。  ブログ