APEC首脳会議、通貨の柔軟性必要との見解も=日本政府筋
[横浜 13日 ロイター] アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は13日、初日の討議で世界経済は予想以上に回復しているが、脆弱だとの認識を示した。通貨の柔軟性が必要との議論も行われた。日本の政府筋が明らかにした。
この日の討議でAPEC首脳らは、世界経済は思った以上に回復しているが、まだ脆弱なものであると認識。APEC域内で、内需拡大や経常収支の適正化、域内の格差是正という「3つのバランス」を取る必要があるとの議論が進んだ。
世界経済のリスクとしては、欧州のみにとどまらない国の債務問題や、雇用に改善の兆しが見られないこと、金融セクターに不安があるなどの声が上がった。経済成長も新興国は相対的に高いが、日米などの主要国は弱さが指摘された。
通貨問題をめぐっては、複数の首脳が柔軟性が必要だとの認識を示した。しかし、この日は主要な論点にならなかった。
APECが導入を目指しているアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)については、実現へ向けたプロセスとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓(ASEANプラス3)や環太平洋経済連携協定(TPP)などを推進することが重要との指摘があったという。
討議の冒頭、菅首相は「アジア太平洋地域の成長をより確固たるものとするため、共通の戦略を策定したい。APECは貿易投資の自由化・円滑化をさらに深化させなければならない。その一環としてFTAAPへの道筋を探し出したい」と発言した。
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