日中首脳会談 中国側は一定の距離崩さず、関係修復にはほど遠い状況
菅首相は、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が開かれている神奈川・横浜市で13日夕方、中国の胡錦涛国家主席と会談し、尖閣諸島沖の漁船衝突事件で悪化した日中関係の改善策を協議した。
尖閣沖での漁船衝突事件以来、初めてとなった日中首脳会談。
中国側は、日本側の再三の要請に対し、ぎりぎりのタイミングで応じた。
漁船衝突事件以降、国内の反日世論の沸騰に手を焼き、国際社会でのイメージダウンを招いた中国は、当初から、今回の訪日を冷え切った日中関係の修復に向けた区切りとしたい考えだった。
しかし、笑顔と握手で仲直りすれば、国内での弱腰外交との批判を呼びかねず、慎重に日本の出方を見守っていた。
日本側の再三の打診をじらしたうえに会談に応じたのも、中国が、ホスト国・日本のメンツを立てたという形を印象づける狙いがあったとみられる。
しかし、日本側が公式会談と位置づけたのに対し、中国外務省は、「非公式な場」で「会話を交わした」と表現するなど、依然として一定の距離は崩しておらず、関係の修復にはほど遠い状況となっている。
(11/14 00:28)