2010年11月14日1時18分
横浜でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に伴い、中国の張平・国家発展改革委員会主任(経済閣僚)と13日会談した大畠章宏経済産業相は、対日輸出が滞っているレアアース(希土類)について、張氏から「近く適切に解決する」と、輸出正常化の方針を示されたことを明らかにした。
大畠氏の説明によると、中国側は政府の関与は認めていないが、輸出が滞っていることは認識していた。停滞の理由について「資源の秩序ある開発と持続的利用のため、税関での管理監督を強化した」と説明したという。張氏はすでに税関など関係機関に対して検査手続きを効率よく、迅速にするよう指示した、とも述べたという。
9月の尖閣諸島沖での漁船衝突事件後、レアアースの対日輸出は事実上「禁輸」状態が続いていたが、大畠氏は会談後、記者団に対し「正常な状態に戻る」と話した。
ハイテク製品に必要なレアアースは世界の生産量の97%を中国が占めている。とくにハイブリッド車モーターの高性能磁石に欠かせない元素ジスプロシウムは、生産可能な鉱床が現在、中国南部にしかなく、「禁輸」の長期化で企業の生産にも影響が及ぶと心配されていた。(中野晃)