菅総理大臣は、中国の胡錦涛国家主席と急きょ、会談しました。今回、首脳会談を受け入れた中国政府の思惑は何だったのでしょうか。
(青木俊憲記者報告)
日中関係修復のタイミングを探っていた中国。日本がホストを務めるAPEC=アジア太平洋経済協力会議は、自然な形で首脳会談を行う大きなチャンスでした。このため、反日デモを封じ込め、漁船衝突の映像が流出した後も日本に抗議をせず、会談ができる雰囲気を保ってきました。「会談をやった」という事実がほしいホスト国の日本の面子を立てることで、大きな貸しを作れるという計算も働いたとみられます。ただ、中国外務省のホームページには、尖閣諸島の問題を論じたことは一切、触れられていません。会談の際の胡主席の硬い表情が象徴するように国内の強硬的な世論に配慮する状況は続いていて、関係改善に向けた足取りは非常に重いものになりそうです。