中国 関係改善慎重なかじ取りか

11月14日 4時9分

中国の胡錦涛国家主席は、１３日の菅総理大臣との会談で、戦略的互恵関係は重要だという認識で一致しましたが、日中両国の関係改善については、今後も国内の世論を考慮しながら、慎重なかじ取りを続けるものとみられます。

ＡＰＥＣ＝アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が開かれている横浜で１３日に行われた日中の首脳会談で、両首脳は、戦略的互恵関係は重要だという認識で一致したうえで、経済を含めグローバルな課題に対して協力関係を強化していくことなどで合意しました。今回の会談について中国の国営メディアは、これまでのような「非公式な対話」ではなく「正式な会談」だと伝えたうえで、「胡錦涛国家主席が、日中間で友好関係を築くことの重要性を強調した」として、意義を強調しました。その一方で、両国が対立する尖閣諸島の領有権をめぐるやりとりについては一切触れず、今回の会談を機に、日中関係改善の流れを作りたいという中国側の思わくもうかがえます。ただ、国内の反日感情が収まるかどうかは依然不透明で、胡錦涛主席としては、今後、中国国内の世論の動向によっては、日本との会談に踏み切ったみずからに批判の矛先が向かいかねないだけに、関係の改善については、今後も国内の世論を考慮しながら慎重なかじ取りを続けるものとみられます。