「農業再生と平成開国」の決意表明―菅首相会見
FTAAP構築ビジョン・方向性で合意
【 横浜 】菅直人首相は14日午後、横浜で行われていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の総括を行う議長記者会見を行い、2020年のアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構築に向けたビジョンと方向性で合意したと首脳会議の成果を強調し、国内農業の再生と「平成の開国」を行う決意を改めて示した。
午後3時から国際メディアセンターで内外の記者を対象に行われた会見で菅首相は、FTAAP実現に向け、ASEAN(東南アジア諸国連合)+3、ASEAN+6、TPP(環太平洋連携協定)など、地域ごとの協力体制を構築していき、最終的なFTAAPへの道筋とビジョンで、全ての参加国が積極的に合意が出来たと成果を強調した。
一方、関係国とTPP協議を開始するに当たっては、国内農業の再生に取り組み、同時に「平成の開国」を行っていく基本方針を改めて明確にし、「来年、米ハワイで行われるAPECに向けて、着実に推進していく」と約束した。
会議中、個別に行われた二国会談について、菅首相は「日米同盟を深化させていくことで合意し、日中間では戦略的互恵関係を確認した。日露間では領土、経済協力で大いに前進できた」と述べた。
日米関係では、沖縄米軍普天基地移転問題について、「(民主)党で対応をまとめるのを待って対応したい」として、知事選の結果などを踏まえた上で、改めて沖縄県民の思いを聞いた上で、移転問題の方針を米側に伝える考えを示した。
日中関係では、「領土問題は存在しないという日本の確固たる立場を中国側に伝え、双方が基本的認識を述べ合った」とし、日中関係は(菅首相就任時の)「6月の時点に戻した」との認識を示した。
日露関係では、メドべージェフ大統領の北方領土訪問に対する「抗議を明確に伝えた」とし、その上で「資源、経済問題についても話し合った」と述べた。
菅首相はまた、「日本はかつてのような経済力を誇る地域で唯一の国という立場から、若く活力のあり経済発展をしている多くの国々の中で生きていくという立場に変化した」との認識を示し、「アジア太平洋地域の国々と経済的に結び合って成長、発展して行かなければならない」と強調した。
農業の再生について、「非現実的な期待を(農民に)与えないか」との質問に対して、農業従事者の高齢化問題とともに、農地法の問題点を挙げて、農地のない若者でも農業に進出できる仕組み整備が必要になっているとの認識を示した。
2010/11/14 16:30
この記事を友達に教える
●米国・有力紙「ワシントン・タイムズ」と提携 日刊紙・世界日報、電子新聞の試読・購読はこちら
■国内ニュース