NHKの福地茂雄会長は4日の定例会見で、テレビ放送と同時にインターネット回線を使ってパソコンなどへ番組を配信する可能性について「視聴者目線で考えれば必然と考える」との考えを示した。実現するには放送法改正が必要だが、すでに片山善博総務相らに打診していることも明らかにした。
福地会長は「テレビ以外で情報を入手する人がいる中、視聴者に合わせるのは我々の義務。視聴者もNHKがより利用しやすくなることを求めているのでは」と理由を説明した。
現在NHKの番組のネット配信は特別に利用基準を設け、「NHKオンデマンド」などテレビ放送後の番組に限って行っている。
同時配信が実現すれば、現行の受信料制度も抜本的な見直しが必要になる。NHKは先月29日に設置した「受信料制度等専門調査会」で、この点も含め専門家から意見を聞く。【長沢晴美】
毎日新聞 2010年11月5日 東京朝刊