国会限定開示で流出決意＝「報道知り逃げられない」―衝突ビデオで海上保安官

　沖縄・尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突のビデオ映像流出事件で、第5管区海上保安本部神戸海上保安部の海上保安官（43）が警視庁捜査1課と東京地検の事情聴取に、国会での映像限定開示を知り、流出を決めたとの趣旨の供述をしていることが13日、捜査関係者への取材で分かった。
　映像が神戸市内の漫画喫茶から投稿されたとの報道で「逃げられないと思った」と説明しており、同課は流出の全容を解明する。同日の海上保安官の事情聴取はしないという。
　さらに、同僚が巡視艇内の共用パソコンで映像を入手したり、数人が閲覧したりした可能性があるとみて関係者から聴取する。
　10月29日、衝突ビデオは約7分間にまとめられ、国会の衆参予算委員会理事らに限定して開示する方針が決定され、今月1日に視聴があった。
　捜査関係者によると、保安官はこうした動きを知り、入手した約44分間の映像をインターネットの動画サイト「ユーチューブ」に流出させようと決めたと説明。「多くの国民に見てほしかった」としている。
　映像は9月中旬から同下旬までの間、巡視艇「うらなみ」が停泊中、共用パソコンから海上保安大学校（広島県呉市）のパソコンの共有フォルダーにアクセスし、取得されていた。　

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