2010年11月13日17時6分
民主党が、おかしい。国会議員歳費の1割削減案が12日、身内議員の猛反対で宙に浮いた。国家公務員の総人件費2割減を掲げながら、自らには甘い姿勢が浮き彫りに。ほかにも党の約束がことごとく頓挫しかかっている。「改革」を叫んだ政権交代前夜の熱気はどこへ行ったのか。
「政治改革は民主党の最も重要な政策の柱だ」。12日、国会内で開いた民主党政治改革推進本部の総会。国会議員歳費の1割削減への理解を求めた岡田克也幹事長の訴えは、その直後の議員たちの声で瞬く間に色あせた。
「新人は今も持ち出しだ。対立候補は有権者に香典や弔電を送っている。カネがかかる政治を変えず、入りだけ絞るのは無理だ」「企業団体献金もない。金集めで苦しい」。非公開の室内で思い思いに口を開いた議員の反論は外まで聞こえてきた。
岡田氏が「来年、国家公務員の総人件費2割削減を主張する。その時、国会議員が何も身を切らないでは国民の理解が得られない」と諭しても議員たちはおさまらない。
「1割削減して『あっぱれ』と国民に言ってもらえるのか。小手先の話だ」
最後に当選1回の柴橋正直衆院議員(岐阜1区)が発言を求め、「前向きに議論すべきだ」と発言した。だがこれ以外に賛成論は出ず、1割削減は決まらなかった。
若手だけではない。党の重鎮である輿石東参院議員会長は12日の参院議員総会で「議員歳費1割削減という記事が各紙に躍っている。本当にそうか。皆さんもいろいろな思いがあろうから述べて頂きたい」と反対論をあおった。執行部の一員なのに、今回の「1割削減」では岡田氏を支える様子はない。
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