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【社会】

尖閣映像、2管職員も取り出す 保安官同僚と同じ方法で

2010年11月13日 14時06分

写真

 尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突の映像流出事件で、関与を認めた神戸海上保安部の男性海上保安官(43)の同僚職員が映像を入手したのと同様の方法で、第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)の職員も取り出した形跡があることが、捜査関係者への取材で分かった。映像が閲覧可能だっただけでなく、全国11管区のうち2つの管区で取り出されていたことで、さらに広く出回っていた可能性が出てきた。

 警視庁捜査1課は、国家公務員法(守秘義務)違反の容疑で調べを進めているが保安官への13日の事情聴取は見送ることにした。

 捜査関係者によると、映像は海上保安庁のサーバーにある海上保安大学校(広島県呉市)の共有フォルダーに保管されていた。9月中旬−下旬の4、5日間はアクセス制限がかけられておらず、全国の海保からパスワードなしで閲覧や保存ができる状態だった。

 漁船の中国人船長が同月25日に釈放される前で、海保全体の機密性の認識は薄かったとみられる。

 神戸海保では、保安官が乗務する巡視艇「うらなみ」の同僚乗組員が、船の共用パソコンから庁内ネットワーク(イントラネット)につなぎ、共有フォルダーから別の資料映像を探すうちに偶然、漁船衝突の映像を発見。「面白い映像があるな」と思い、ダウンロードしたという。

 保安官は、この共用パソコンから公用のUSBメモリーで映像を持ち出し、自分の公用パソコンに保存。そこから私用のUSBメモリーに移し、神戸市内のインターネットカフェから投稿した。

 共用パソコンは、私用のUSBメモリーが使えない規定になっているため、まずは公用のUSBメモリーを使ったとみられる。巡視艇内から公用のUSBメモリーが見つかっており、警視庁捜査1課が解析している。

 保安官は同課の事情聴取に、映像を流出させた動機を「国民に広く知ってもらいたかった」と説明。「海保の人たちに迷惑をかけて申し訳ない」とも話しているという。

(中日新聞)

 

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