また、ツイッター上では、著作権の問題なども持ち上がって、結局ビデオの画像や映像を紹介できないのではないか、との懸念もくすぶっている。
ネットのメリットを挙げる声もあり、今回の場合は、海上保安官が旅行先のネットカフェで投稿すれば偽装できたのではないか、との指摘があった。内部告発サイト「ウィキリークス」や警視庁公安部の情報が流出した「ウィニー」を使う手もあり、朝日の神田大介記者も、「ああいう手法を誰でも簡単に取れるような時代になると、商売あがったりかも」とつぶやいた。
2ちゃんねるでは、神田記者のツイートに対し、スレッドがいくつも立って、マスコミへの情報提供にかなり否定的な書き込みが相次いでいる。
情報のネット先行に危機感を持っているのは、テレビ局も同じようだ。
芸能関係者によると、ある民放キー局ワイドショーのスタッフは、尖閣ビデオのユーチューブ投稿に大ショックを受けたことを明かしたという。
「いやー、参りました。こんな時代が来たんですね。映像がわれわれのところに持ち込まれないなんて…」
これに対し、この関係者は、「民主党の小沢一郎さんが、すべてを流してもらえるとニコ動で会見したように、既存メディアが不信感を持たれているんですよ。ウェブがスクープの威力を持ち、それをテレビ局が配信するなんて皮肉ですが、今後こういうケースが増えるでしょうね」と言う。
毎日新聞の与良正男論説副委員長は、2010年11月11日付コラムで、自虐的にこう漏らす。テレビ局は、ビデオを入手しても、映像は本物か、守秘義務違反の可能性があるビデオ放映は妥当か、日中関係はどうなるのか、とためらったと思うと。新聞社についても、「各社のホームページにビデオそのものを即座にアップしたかどうか。国民の知る権利を優先するか否かで、やはり大議論になったろう」と明かしている。
つまり、既存メディアならビデオを出せなくなる可能性を認めたわけだ。
【スポンサードリンク】
|