【コラム】給食と学用品の無料化論争に一言(下)

 韓国の保護者たちが教育熱病に苦しむのは、統計からも伺い知ることができる。先日、経済協力開発機構(OECD)が発表した教育統計によると、韓国の国内総生産(GDP)に対する公教育の比率(2009年に7.0%)は、アイスランド、米国、デンマークに次いで4位と高かった。しかし、それでも教育の多くの部分は民間に依存している。GDPに占める公教育費の中で、韓国は民間負担の公教育費(2.8%)が最も高い。ただし、18兆ウォン(約1.3兆円)といわれる私教育費はこの計算に入っていない。

 一方、韓国で児童・生徒一人当たりに投入される公教育費は、OECDの平均にも及ばない。小学生一人当たりの公教育費支出は、各国の購買力を考慮に入れた場合、OECD平均の81%、中・高生は95%、大学生はわずか69%だ。

 オバマ大統領やダンカン長官は韓国に倣い、「米国ももっと教育に力を入れるべき」と訴えているが、これを喜んでばかりはいられない。両国の中身を比較すると、米国の小学生一人当たりの公教育費支出は韓国の1.9倍、中・高生は1.4倍、大学生は3倍だ。韓国の保護者は何かあるとすぐに大騒ぎするが、確かに米国では大騒ぎする必要がない。公教育にこれだけ多くの予算が投入されているからだ。

 公教育の質を考えれば、韓国にも数多くの課題が残っている。それにもかかわらず韓国の教育当局や政界は、「児童・生徒たちに給食を無料で与えるべきか」「学用品を無料化すべきか」といったことをめぐり激しく対立している。教育政策の現状がこれでは、強烈な怒りがこみ上げてくるのも当然のことだ。

姜京希(カン・ギョンヒ)経済部次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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