2010年11月12日(金)「しんぶん赤旗」

公開すべきものをしてこなかったことが問題

尖閣ビデオ問題 志位氏


 日本共産党の志位和夫委員長は11日、国会内で記者会見し、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像が動画投稿サイト「ユーチューブ」で明らかになり、投稿したという人物が名乗り出て、取り調べを受けているというもとで、党の立場を明らかにしました。

 志位氏は、「明らかになったビデオ映像を見れば、本来、これは非公開にしておくべき内容のものではなかったというのが私たちの判断だ。こういう内容のものであれば、政府の責任でもっと早い段階で公開すべきだった」とのべました。

 そして、志位氏は「いま問われるべき問題の焦点は『ビデオ流出問題』ではない。政府がビデオ映像の扱いについて、責任ある方針をもたず、早い段階で公開すべきものを公開してこなかったことにこそ問題の焦点がある」と強調。「公開すべきものを公開しなかったことが、今回の流出問題につながった。その責任こそ問われるべきだ」と指摘しました。

 さらに、志位氏は「政府は、今回の問題をもっぱら『ビデオ流出問題』に矮(わい)小(しょう)化し、国家公務員の守秘義務の罰則強化や、『国家機密法』の制定の検討まで言い出しているが、これはまったく筋違いの話であり、表現の自由、国民の知る権利を侵害する動きとして、断じて容認できない」とのべました。

 記者団から「共産党はビデオ映像の公開について慎重にやるべきだと主張してきたが」と問われた志位氏は、「ビデオ映像の内容を、私たちが知りえない段階では、公開の是非については政府の責任で判断すべきだと言ってきた。しかし、明らかになったビデオを見ればこれは非公開にすべき内容のものではなかった。こういう内容だったら、早い段階で公開すべきだった」とのべました。

 「担当大臣も含めた責任の取り方は」との質問に対しては、「一番の責任は、早い段階で公開を判断せず、無責任な対応をつづけてきた官邸、すなわち総理と官房長官にある」とのべました。





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