日韓、図書引き渡しで正式合意　北朝鮮も議論

　菅直人首相は１４日午前、韓国の李明博大統領と横浜市内で会談した。両首脳は、植民地時代に日本へ渡った朝鮮半島由来の図書計１２０５冊を韓国に引き渡すことで正式に合意した。北朝鮮の核問題については、同国が非核化の意思を具体的な行動で示す必要があるとの認識で一致した。

　首脳会談終了後、前原誠司外相と韓国の金星煥外交通商相が「日韓図書協定」に署名。８月に閣議決定した日韓併合１００年に関する首相談話で触れた「朝鮮王室儀軌」などの引き渡しに向けた両国間の環境が整う。政府は、条約扱いの同協定について今国会中の承認を目指している。

　両首脳は、２００４年以来中断している経済連携協定（ＥＰＡ）の早期の交渉再開に努力することで一致した。首脳同士が年１回程度相互に訪問し合う「シャトル外交」も取り上げられる見通し。首脳会談には仙谷由人官房長官も同席する。