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【現場発 ニュースを見に行く】横浜厳戒 APEC警備に全国の警察官集結 (4/5ページ)
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今回のAPEC警備は、さまざまな世界情勢を踏まえ、事前からテロ対策が周到に行われた。世界各地ではイスラム過激派によるテロが続発しているほか、北朝鮮によるテロ行為も権力移行期に多発するとされており、比較的テロが起きにくいといわれる日本でも十分な警戒が必要だったといえる。
外国の情報機関からの情報収集は当然だが、草の根作戦も地道に行った。警視庁は爆発物原料の販売業者への個別訪問を行って不審な購入者がいなかったか徹底チェック。会議期間中には駅のコインロッカーはもちろん自動販売機も使用停止にするなど、危険になりうるものは徹底的に排除した。
さらに不審な人物や物を見つけるため、「市民の目」も頼った。神奈川県警は、市民の警戒意識を高めてもらうため、「テロ防止にご協力を!」と書かれた缶バッジ約2万個を鉄道会社や電力会社などに配布。飲食店向けのステッカーも作り、啓発に努めた。
一方、MM地区の警備も夏ごろから本格化させ、その後徐々にレベルを上げた。当初はAPECに対する市民の関心は高まらず、一部住民からは「こんなに早くから警備しなくても」という意見もあったが、粛々と準備を進め、10月に入ってからは警備に対する理解度も増したという。
こうした大規模警備では準備と訓練を重ね、徐々にレベルを上げていくのが常道とされる。事前から警備の姿を見せることでテロなどの抑止につながる上、小さな変化も敏感に察知できるようになるからだ。直接は関係ないが、今回の事前警備が奏功した出来事もあった。9月16日未明に横浜市内でタレントの田代まさし(本名・政)被告=覚せい剤取締法違反罪などで起訴=を職務質問したのは、応援にきていた福岡県警の警察官だった。