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【現場発 ニュースを見に行く】横浜厳戒 APEC警備に全国の警察官集結 (3/5ページ)
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警備をする上で、大都心というだけでも難度が高くなるのだが、その中でも特に問題になったのが会場にほぼ隣接する10棟の高層マンション群だ。7千人以上の住人の日常生活にできるだけ支障が出ないようにしつつ、どのようにして不審者の侵入を完全に防ぐのか。そこから出たアイデアのひとつが住民確認カードだ。
横浜市は今回、住民の負担を軽減するため、警察による職務質問や車両の検問を受ける際、少しでもスムーズに通り抜けられるよう顔写真入りの住民確認カードと車両確認証を発行することにした。説明会を開いて住民に理解を求め、カードを作成しなかった住民には警察官が会えるまで戸別訪問を繰り返した。警備のためにこのような取り組みを行うのは初めてという。
周辺の施設との交渉もねばり強く行われた。隣接する遊園地「よこはまコスモワールド」の観覧車から会場が丸見えになることから、11〜14日の営業を自粛してもらった。このほか、山下公園前に係留する博物館船「氷川丸」も12〜14日の正午まで臨時休館した。さらに近くの日帰り温泉施設を借り上げ、警備部隊の待機場所にするという一石二鳥の対策も。これまでは会場になるホテル内の店舗が営業を自粛するケースはあったものの、周辺の民間施設にこれほど影響が広がるのは異例のことだ。
最新の資機材も活用された。パシフィコ横浜は海に面しているため、海上には24時間の警戒が可能な自立型無人警戒挺が初めて投入された。全長3メートルとやや頼りない感じもするが、上部にカメラ、底部には水中ソナーを備えるなど警戒能力は高く、海上や海中から近づく不審者の発見に力を発揮するという。