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6月 26日(土)  総合 午前9時25分

Travel 44 バヌアツ 「“幸せ世界一”の秘密 〜チーフ・ロイマタの地〜」 Travel 44 バヌアツ
「“幸せ世界一”の秘密 〜チーフ・ロイマタの地〜」




番組詳細

世界遺産への招待状、第44回は「世界一幸せな国」に選ばれた南太平洋・バヌアツの世界遺産です。体を黒く塗って踊り、儀式のために葉っぱを身にまとう昔ながらの風習が残るバヌアツ。この国ではかつて部族同士の争いが絶えませんでした。
そんな国に平和をもたらしたという伝説のチーフ(首長)がいます。その名は“ロイマタ”。彼の伝説にまつわる墓や洞窟などの遺跡が「チーフ・ロイマタの領地」として世界遺産になっています。
世界遺産の地に住む村人たちは、伝説のチーフを今もあがめ、その超能力を信じています。村のはずれの森にひっそりと残る、世界遺産マンガス。かつてロイマタが住んでいたというこの遺跡を訪れると、村人たちはいきなり大声で叫び始めます。さらに雷や津波を自在に操るための必須アイテムも登場!村人たちの不思議な信仰の世界が浮き彫りになります。
魔法や呪いなど、数々の信じられないような伝説の残るロイマタですが、実在の人物であったことを証明した遺跡があります。世界遺産ハットアイランドはロイマタが葬られた島として400年間、立ち入りすら禁じられてきました。今回、取材陣は特別に島の撮影を許されました。墓の中から現れた、驚くべき光景とは・・・?
ロイマタはかつて、戦いの絶えなかった島に平和をもたらしたと言われています。彼が戦いを治めるために定めた掟は今なお島の人々によって守られ、そしてなんと「世界一」というバヌアツの幸せをつくるのに一役買っていると言うのです。いったいどんな掟なのか?そのカギを握るのは、タコと石とココナッツと菜っ葉と・・・?!
「伝説のチーフ」が定めたユニークな掟をご紹介します。
まか不思議な文化が残る、バヌアツの世界遺産。どうぞお楽しみに!

番組スタッフからの招待状

『世界一幸せな国』の人々が愛する飲み物

今回は、バヌアツの取材・通訳を担当したポートヴィラ在住の番組コーディネーター、大数加裕信(おおすか・ひろのぶ)さんです。

バヌアツ共和国は2007年のイギリス系シンクタンクの調査で『世界一幸せな国』に選ばれました。確かにこの国は豊かな土壌と亜熱帯性の気候のおかげで、タロ、ヤム、タピオカなどのイモ類をはじめ、ココナッツ、パパイヤ、バナナ、マンゴ、パイナップル等の果物や各種ナッツが年間を通して豊富に収穫できます。そのため人々が貧困で餓える、という心配はまったくありません。

人々はおおらかでいつも笑顔です。素朴で純粋な人々はちょっとしたことでも大笑いするみずみずしい感性を持っているようです。また、近隣の人をいたわり何事もシェアする(相互に分け合う)という精神が伝統的に培われているのも『世界一幸せな国』に選ばれた要因でしょう。

そしてもう一つ、バヌアツの平和に大きく貢献しているものがあります。それは『カバ』と呼ばれる飲み物です。『カバ』とはヤンゴーナと呼ばれるコショウ科の植物の木の根っこをすりつぶし水で搾った絞り汁です。バヌアツの男たちは夕暮れ時になると毎晩このカバを飲み始めます。カバには酩酊作用あり、一杯目で唇や舌が麻酔をかけられたようにしびれ始め、2杯、3杯飲む頃には頭の中が『もわーん』とした感じになります。非常にリラックス効果がある飲み物なのです。気の合う仲間同士、『カバ』に酔いしれ、夜を共に語りながら一日の疲れを癒すのがバヌアツ流です。

現状ではカバは嗜好品として飲まれることが多いのですが、もともとは冠婚葬祭に欠かせない飲み物で、現在でもことあるごとにカバを飲まされます。ただ、めちゃくちゃ不味い飲み物で、飲みすぎると吐き気をもよおすほどです。表現しづらい味ですが、強いて言えば『まずい漢方薬』という感じでしょうか。

この『カバ』をこのたびの撮影スタッフの皆さんも体験しました。スタッフの一人は、カバが強烈すぎてホテルのロビーで動けなくなったほどです。

恐るべし、しかし愛すべし『カバ』。貴方も体験しにバヌアツに来ませんか?

紹介した世界遺産

チーフ・ロイマタの地
バヌアツ
文化遺産
2008年


Travel Information


  • 《チーフ・ロイマタの地への行き方》
    日本からバヌアツへは、ニューカレドニア経由、もしくはオーストラリア経由の飛行機がある。世界遺産であるロイマタの地があるのは、首都ポートヴィラの空港から車で40分ほどのマンガリリュ村。遺跡を見るためには事前にツアーの申し込みをする必要があるため、現地のツアー会社などに申し込むとよい。

    ※通貨はバツ。空港でも市内の土産店でも両替ができる。公用語はビスラマ語だが、村でもほとんどの場所で英語が通じる。