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【海外事件簿】アルコールはヘロインやコカインよりも危険 英研究チームが報告 (1/2ページ)
アルコールはどんな薬物よりも危険性が高い−。英国の科学者らが、20種類の薬物の人体への有害性や依存度、他人への悪影響などの項目で評価、比較したところ、人類にとってアルコールはコカインやヘロインよりもさらに危険な物質であるとの結論を導き出した。飲酒運転事故、酒浸りの親、夫による幼児虐待や家庭内暴力、そして、酩酊(めいてい)状態に陥った状態での殺人…。健康被害にとどまらず、酒にまつわる事件や事故は枚挙にいとまがないが、違法薬物に比べると、アルコール害については比較的、軽く見積もられる傾向があるだけに、この報告書は日本社会にも大きな警鐘を鳴らしそうだ。(佐々木正明)
世界保健機関(WHO)によれば、アルコールが原因で死亡する人は、年間約250万人いるという。内臓疾患による病死、自殺などが含まれ、人類のあらゆるの死因のうち3・8%はアルコールが関連していると分析されている。アルコールは人間の健康、精神に深刻な悪影響をもたらしている。
それだけにとどまらず、酒にまつわる事件、事故は日本でも相次ぎ、世界各国でも同じように頻繁に、発生している。
香港では2009年7月、23歳の男性が路上で突然、タクシーを乗っ取り、市内を暴走したあげく金属フェンスにつっこみ、58歳のタクシー運転手を死亡させた。発生当時、男性の血中からは、基準値の3倍のアルコール成分が検出された。
裁判では、弁護側が「男性は酩酊状態で事件のことを覚えていない」と主張したが、結局、先月末に過失致死罪で有罪となった。
米ロサンゼルスでは先月、23歳の父親と3歳の息子が市内を車でドライブ。父親は途中、車の中に息子を放置したまま、酒を飲みに行き、結局、泥酔状態になって警察に保護された。しかし、酒のせいで車をどこに駐車したか忘れてしまい、捜索の末、24時間後に発見された。幸い、子どもに命の別条はなかったが、父親の拘束はその後も続き、保釈のために10万ドル(約800万円)を用意しなければならないはめになった。