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新生銀:「総量規制」超え融資 無担保、消費者金融の顧客に

 新生銀行は借入総額を年収の3分の1までに制限する「総量規制」の導入(6月)で、融資を受けられなくなった人を対象にした新たな無担保ローン商品を今年度にも発売する。銀行からの貸し付けが総量規制の対象外となっていることに着目。審査の結果、返済能力があると判定した場合、総量規制の枠を超えて貸し出すことにした。

 多重債務問題の解決を目的にした総量規制の導入を受け、アコムやプロミスなど消費者金融大手は融資残高を大幅に圧縮している。日本貸金業協会によると、8月末の消費者・事業者向け融資残高は約12兆円と、07年8月末から約8兆円も減った。

 複数の業者から借り入れている多重債務者の数も減少しているが、短期の資金繰り目的で利用していた主婦や個人事業主が借入先を失い、「違法なヤミ金融に流れている」との指摘も出ている。このため金融庁は、健全な消費者金融市場の育成を目的に、銀行による個人向け融資の拡大を要請していた。

 規制強化で消費者金融から借りられなくなった人でも、銀行系の個人向けカードローンから借りることは可能。ただし、各行は金利上限を消費者金融の水準(約18%)より低い14%程度に設定している。

 新生銀は「貸出残高だけで、機械的に融資対象からはじき出された借り手が相当数いる」と判断。上限金利を傘下の消費者金融「レイク」と同じ18%程度にし、消費者金融と同等のリスクをとることで利用者の間口を広げる。融資に対する審査や保証、債権回収はレイクが請け負う。

 新生銀の新型ローンは、新規融資を受けられずにいる人の当面の資金繰りを助ける可能性がある。一方、安易な借り入れにつながれば、新たな多重債務者問題になりかねないだけに、審査をどこまで徹底できるかが課題になる。【大久保渉】

毎日新聞 2010年11月10日 東京朝刊

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