民主:後任幹事長に二つの課題 党内融和、ねじれ国会対策

2010年9月15日 22時17分 更新:9月15日 23時52分

民主党本部の代表室に入る菅直人首相=東京都千代田区で2010年9月15日午後1時59分、津村豊和撮影
民主党本部の代表室に入る菅直人首相=東京都千代田区で2010年9月15日午後1時59分、津村豊和撮影

 内閣改造・党役員人事を巡り、菅直人首相は枝野幸男幹事長の後任について、慎重に人選を進めている。小沢一郎前幹事長との一騎打ちで深まった党内の亀裂修復を優先し小沢氏に配慮するのか、それとも世論に従って「脱小沢」を貫くのか--。小沢グループの対応もにらみつつ、どちらが今後の政権運営に有利なのかを見極めている。しかし、どちらを選んでもいばらの道が待ち受ける。【須藤孝】

 「ポスト枝野」に関し首相周辺は「岡田克也外相の起用はある」と語る。ねじれ国会を乗り切るには野党との折衝の前面に立つ幹事長人事が極めて重要で、首相と密接な関係があり、野党への重みもある「本格派」が必要との考えからだ。

 岡田氏は仙谷由人官房長官や枝野氏と並ぶ非小沢系の代表格でもある。首相側には、代表選で勝利した最大の理由が世論の支持にある以上、「脱小沢」を貫くべきだとの意見も根強い。小沢氏に配慮した人事をすれば、首相が「小沢氏に妥協した」との印象を与え、内閣支持率の低下を招く可能性もある。

 しかし、菅首相は腹の内を明かさない。15日、小沢氏を含め党内の有力者と相次いで会談したが、これは人事を前に、党内に十分配慮する形を示すという意味がある。代表選で小沢氏を破ったとはいえ、国会議員票は6票差。今後の党運営は慎重にならざるを得ない。同日夜、首相は記者団に「適材適所、挙党態勢をつくると。その参考にいろんな方のお話を聞いている」と語るにとどめた。

 そうは言っても、小沢氏に近過ぎる人物の起用は「非小沢」派の反発を招く。そこで一時取りざたされたのが、「中間派」の旧民社グループに属する川端達夫文部科学相だ。

 旧民社なら小沢グループを刺激しない。しかも旧民社は代表選終盤、「会長見解」で首相支持を打ち出しており、「非小沢」の急先鋒(せんぽう)、前原誠司国土交通相のグループも容認の構えを見せた。ただ、論功行賞との批判を招きかねない欠点があり、14日夜の旧民社グループの会合では「川端氏は引き受けるべきではない」との意見が出た。

 しかし、「それでは岡田氏」となれば、小沢系議員の反発に加え、参院民主にも不満が広がりかねない。岡田氏が幹事長当時の03年、参院民主党会派に配分される立法事務費の党への一本化を図ったことで、「岡田氏にはいまだに抵抗感がある」(幹部)との反発がくすぶるためだ。

 一方、非小沢系の党幹部からは「今さら中間派はあり得ない」との強硬論も飛び出す。中間派の起用で双方の顔を立てる戦術にも見通しが立たない中、菅首相は難しい判断を迫られそうだ。

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 
共同購入型クーポンサイト「毎ポン」

おすすめ情報

注目ブランド