2010年9月15日 20時42分 更新:9月15日 22時59分
【北京・成沢健一】尖閣諸島付近での衝突事件で日中両政府の対立が深まる中、今月下旬に国連総会に出席する菅直人首相と中国の温家宝首相の会談が見送られる公算が大きくなった。複数の日中関係筋が15日、明らかにした。08年5月の「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」は、「国際会議も含め首脳会談を頻繁に行う」としているが、事件が首脳レベルの交流にも影響を及ぼした形だ。
国連総会は23日からニューヨークの国連本部で一般討論演説が始まる。関係筋は「会談が決裂するような状況は避けなければならない」と指摘。日本政府関係者は「会談をこちらから申し込んで断られれば、中国側の思うツボだ」と話した。
中国側は事件前、菅首相の早期訪中を要請していたが、事件を受けて態度を硬化させており、現状では実現は極めて困難。11月に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で胡錦濤国家主席が訪日するまでに、日中両政府がどこまで関係を改善できるかが、今後の焦点となりそうだ。