2010年9月15日 19時24分 更新:9月15日 19時59分
地下鉄サリン、松本サリン事件など13事件で殺人罪などに問われて死刑が確定したオウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(55)側の再審請求について、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は13日付で、死刑囚側の特別抗告を棄却する決定を出した。小法廷は「抗告理由に当たらない」と述べた。再審を開始しないことが確定した。
松本死刑囚の次女(29)が08年11月に再審を請求。地下鉄サリン事件への松本死刑囚の関与を否定した元教団幹部、遠藤誠一被告(50)=上告中=の控訴審供述を新証拠としたが、東京地裁、東京高裁とも供述の信用性を否定し請求を棄却したため特別抗告していた。
松本死刑囚は04年に東京地裁で死刑判決を受けて控訴したが、弁護側が期限内に控訴趣意書を提出しなかったため、東京高裁が裁判の打ち切りを決定。弁護側は不服を申し立てたが、06年9月に死刑が確定した。【伊藤一郎】