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NECラーニング(株)
NECラーニングの特徴 ■教育事業を統合し新会社設立 ■体系化されたグローバル人材育成プログラム ■海外事業コア人材に対する研修(グローバルイニシアチブ強化研修、海外赴任者向け研修) 伊藤洋一氏
MECラーニング株式会社 経営研修本部 主任 伊藤洋一氏

まずは、NECラーニング株式会社の概要を教えてください

NECラーニング株式会社は、NECの社内教育として経営マネージメント研修やハードウェア技術研修を実施してきた株式会社NECユニバーシティと、外部のお客様向けならびにNECの社内教育として主としてコンピュータ関連のSWスキル研修、SE研修を行ってきたNECのEラーニング事業部とが統合し、2005年に発足しました。
当社は、NECグループ各社および外部のお客様の両方に対し、「人材開発コンサルティング」「研修サービス」「eラーニングソリューション」という3つの支柱となるサービスを的確に組み合わせ、そのニーズに最適な人材開発ソリューションを提供するという役割を担っており、その実現に向け、1. お客様のニーズにフォーカスし、最適な人材開発ソリューションを提供する。 2. IT・ネットワークの最新技術を活用し、効果的な研修を追求する。 3. 常にグローバルな視点に立つ。 4. ボーダレス社会にふさわしい多様な個性を重んじる。5. 企業倫理を徹底し、社会への積極的貢献を果す。という経営方針のもとに教育事業に取り組んでいます。
組織としては、経営研修を担当する部門、IT・NW研修を担当する部門、HW技術研修を担当する部門eラーニングを担当する部門、営業部門および経営管理部門からなっています。

NECラーニングの組織

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御社では、現在グローバル人材育成に特に力を入れているとうかがいました。その背景をお聞かせいただけますか?

NECでは現在、海外売上比率を更に拡大し、成長のドライビングフォースとすることを経営目標の一つとしています。これに伴い、海外事業を推進することのできる人材の育成が大きな課題の一つとなっています。そのため、現地に赴任する人材はもちろん、現地のローカル人材、また日本国内で海外事業を推進する人材をも対象とした様々な人材育成施策に取り組んでいます。NECラーニングとしても、こうした方針に沿って、NECと一体となってグローバル人材成育成のための教育の実施に特に力を入れて取り組んでいます。

NECのグローバル人材育成の内容についてお聞かせいただけますか?

NECでは全社として以下の図ような研修体系を設けています。この体系は、大きくは、全員を対象とする共通研修(左半分)、と職種毎に求められる専門性に応じて各部門が必要とする研修を設定する職種別研修(右半分)からなります。NECではこの研修体系をもとに、各人の役割に求められる期待行動・スキルに応じて受講研修が設定されます。この研修体系の中でグローバル人材育成のための研修としては、共通研修のプラクティスアップ研修群の中にグローバルマインドセット養成のための基本研修メニューが、また、職種別研修のグローバル研修群の中に、実務、語学力等の専門スキル養成のための研修メニューがそれぞれ盛り込まれています。

NECの研修体系

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このNECの研修体系に対応し、NECラーニングでは、グローバル人材育成のための研修として具体的に以下の図のような研修プログラムを実施しています。その内容は、ベースとなるグローバルマインドセット養成のための研修として、「異文化対応マインドセット・プログラム」、その上に「実務スキル・プログラム」や「語学力・英語力ビジネススキル」といった各種スキル修得のためのプログラム、さらにその上にリーダーシップ、マネジメント力の向上を狙いとした「プロフェッショナル・プログラム」および海外赴任者を対象とした専用研修「海外赴任前研修」があるという構成になっています。プロフェッショナル・プログラムには海外事業の中核要員養成を目的とした選抜研修「GI(グローバルイニシアティブ)研修」も含まれています。

グローバル人材育成のための研修体系

グローバル人材育成のための研修体系
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GI強化研修は、どのような内容になるのでしょうか?

この研修は、昨年から開始した海外事業の中核要員を早期から計画的に育成する中期的な施策としての選抜研修で、30代前半の若手を主な対象としています。この研修を通して、海外事業のリーダーとして現地法人経営や海外事業の推進をしていくために必要となる基本的なスキルとマインドを養成します。第一回は昨年の9月から5ヶ月間に渡って実施し、月1回3日間の集合セッションとその間の自主活動によって進めました。研修の内容は「アクションラーニングによる経営幹部への提言活動」「海外での事業経営に必要とされるスキル習得研修」「英語力の強化」の3本の柱からなっています。研修の核となるアクションラーニングでは、異なる部門の受講者からなる5、6人のグループに分かれて、IMD一條教授のファシリテーションのもとに、課題の特定、根本原因の分析、解決策の立案、アクションプランの策定といったステップを踏みながら、NECの海外事業を成長させるための戦略/アクションプランをまとめ、最終日に経営幹部に向けたプレゼンテーションを行います。また、並行して経営資源の使い方、異文化リーダーシップ、リスクマネジメントおよびネゴシエーションの4つのスキルについての集合研修を受講します。研修の資料は基本的にすべて英語のものを使用し、異文化リーダーシップ、リスクマネジメントおよびネゴシエーションのスキル研修については授業も英語で行いました。通常の仕事と並行して実施するため、スケジュール的にも内容的にも受講者には非常に厳しかったと思いますが、将来の海外事業の中核を担ってもらいたいという期待を本人に明示し研修に臨んでもらったため、みな高いモチベーションを持って研修を受講し、本人達にとっても非常に得たものが多かったようです。NECの経営幹部からは、将来のNECの海外事業を担う若い人たちを集めたこの研修に対しては、これまでの事業や組織の枠に捕われない新しい発想での提言が期待されています。研修を企画・主催する側としては、この研修を通じて出されたアイデアが、NECの新しい海外事業が生まれるきっかけになれば理想的だという考えのもとに、今後より内容を向上させていくつもりです。

NECグローバルイニシアティブ強化研修 <スケジュール>

NECグローバルイニシアティブ強化研修<スケジュール>
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海外赴任者向けの研修を昨年度、全面改訂したとお聞きしていますが、どのような内容でしょうか?

以下の図が、改訂後のNECの海外赴任者向け研修の全体像です。この中でも特に“異文化対応力、マネジメント力の強化“(黄色網掛け部分)のためのプログラムについては全面的に刷新を行いました。この部分のプログラムの全体構イメージは下の図になります。具体的な改訂内容としては、海外での人事マネジメントの基本を学ぶEssential Skills in Leadership and Managementについて内容を大幅に拡充し、英語によるロールプレイを徹底して行える形にしました。また、地域別エリアスタディは講師、内容ともに全面改訂し、より現地でのコミュニケーション、マネジメント、リーダーシップ発揮にフォーカスした内容に変更しました。そして、まったく新しい取り組みとして「赴任後フォローアップ研修」というプログラムを新設しました。これは、赴任後半年程度の経験を経た時点で、現地で実際に直面したマネジメント上の問題を持ち寄り、講師のファシリテーションのもと、受講者間でのディスカッションや現地のローカルスタッフを交えたロールプレイを通して解決のためのヒントを得るとともに、コミュニケーション、マネジメント、リーダーシップ上のポイントを“腑に落とす”ためのプログラムです。赴任前の地域別エリアスタディと赴任後フォローアップ研修については、双方で情報を共有しながら実施しています。それには、内容に連動性を持たせるとともに、現地研修で得られた赴任者の貴重な体験をできるだけ日本にフィードバックし赴任予定者に事前に伝えていくという機能をこの赴任者研修に持たせたいという狙いがあります。

NECの海外赴任者向け研修のコンテンツ

  テーマ 内容 期間 実施時期
基礎
情報
〔必須〕
役割期待明示、
生活立ち上げ
情報付与
・海外赴任準備コース 1日 6,9,12,3/月
(年4回)
異文化
対応力、
マネジ
メント 力
〔必須〕
ローカル人材に対し効果的にコミュニケーション、マネジメント、を行うスキルの強化 ・Essential Skills in Leadership and Management 3日 4,6,8,10,
12, 2/月
(年6回)
・エリア事情(4極別)
※赴任前に日本で受講
1日 6,9,12, 3/月
(年4回)
・赴任後フォロー研修(現地従業員とのコミュニケーション、マネジメント、リーダーシップ強化研修)
※赴任後に現地で受講
(赴任後、半年程度の経験を経た上で受講)
2〜
3日
半期1回
語学力
〔必須〕
現地での役割に必要とされるコミュニケーション力の養成 ・英語力レベルチェックの実施
※レベルチェックの概要については次項
1h 準備指示語、
随時
・レベルチェックに基づく強化研修の受講 個別
設定
レベル
チェック後、
随時
実務
スキル
赴任後の現地業務で必要な知識・スキルの強化 ・経営管理知識(経理・財務。損益管理、事業戦略構築等)、契約関連、法制、Pj管理等
※赴任後の業務に必要なものを適宜受講
個別
設定
準備指示語、
随時
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異文化対応、マネジメント強化のための研修 構成

異文化対応、マネジメント強化のための研修 構成

また、英語力の強化という面でも新しい取り組みとして、赴任予定者全員にネイティブによる英語力のインタビューテストを行うことにしました。それによってTOEICの点数に加えてさらにきめ細かいコミュニケーション上の弱点を把握するとともに、その各自の実力と現地での役割に必要とされる語学力に応じて、向上を必要とするスキルをレポートとして提示し、各自がそれに基づいて必要な研修を受講するしくみとしました。

研修プログラムの刷新に加えて、受講の徹底という面でも改訂を行っています。基礎研修、異文化対応力・マネジメント力強化研修、語学強化プログラムについては、受講を必須とし、受講終了を現地赴任のための必要条件の一つとしました。そのために、赴任準備期間が最低4ヶ月は確保されるよう、本人への準備指示のルールを変更し、徹底もしています。これにより、以前は準備の研修も十分受けられずに赴任する赴任者がかなりいましたが、昨年度の制度変更後は全ての赴任者が準備のための必要研修を受講しています。

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導入事例