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<院内感染>「ムーコル真菌」疑いで3人死亡 千葉・市川

毎日新聞 11月12日(金)21時18分配信

 千葉県は12日、市川市の東京歯科大市川総合病院(安藤暢敏院長、570床)で、カビの一種である「ムーコル真菌」に院内感染した疑いのある入院患者3人が、5〜10月に死亡したと発表した。いずれも同じ病室を利用した急性白血病の患者だった。病院によると、現時点で新たな感染拡大はないという。

 県医療整備課によると、死亡したのは30代女性と40代男性、70代男性の3人。

 最初に病室を利用したのは30代女性で、4月に入院し5月29日に死亡した。次いで40代男性が6月に入院してこの病室に入り、7月に退院。別の病院に再入院後の10月14日に死亡した。2人からはそれぞれムーコル真菌が検出された。

 一方、70代男性は8月に入院。9月10日にムーコル症に感染した疑いがあると診断され、同18日に死亡した。

 病院は9月8日から、院内感染の調査を開始。最初の2人と同じ菌が、病室の空調機器のフィルターや廊下の空気から検出された。男性2人の死因は別の感染症などとみられるが、女性はムーコル真菌感染との因果関係が否定できないという。

 病院は10月1日に県に報告。県は同5日に立ち入り検査をした。病院は「専門家の意見を踏まえ、県の指導を受けながら設備を点検整備し、二度と発生しないよう全職員一丸で取り組む」とのコメントを発表した。【斎藤有香、黒川晋史】

 ◇ムーコル真菌、健康な人には無害

 ムーコル真菌は、ケカビやクモノスカビといった土壌の中などに常在するカビの一種。胞子を吸い込むことによる気道感染が知られている。

 自治医大病院の森沢雄司・感染制御部長によると、健康な人には無害で体内に入っても問題はない。ただし、今回の東京歯科大市川総合病院の死亡者のように、急性白血病患者など極度に免疫力が落ちた人が感染すると、高い熱が出たり肺炎を引き起こすことがあるという。

 感染症を防ぐ対策としては、清掃でカビを除去することなどが挙げられる。しかし、清掃をしたとしても、これらのカビを完全に病院内からなくすことは、ほぼ不可能という。

 森沢部長は「極めて珍しい感染症で、人から人への感染も聞いたことがない。一般の人は何も心配することはない」と話す。【藤野基文】

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最終更新:11月12日(金)23時11分

毎日新聞

 

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