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皮膚 大人のアトピー:1 顔の湿疹 薬で一時消えた

2010年11月9日

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写真:週5日ほど、スポーツクラブの受付で働く=さいたま市拡大週5日ほど、スポーツクラブの受付で働く=さいたま市

 平日の午後5時半、さいたま市内のスポーツクラブの受付に、近くの街に住む荻野美和子(おぎの・みわこ)さん(31)の声が響く。

 「こんにちは」「お疲れ様でした」

 半袖にハーフパンツのユニホーム姿で、利用者にロッカーの使い方を説明したり、冗談を交わしたり。エアロビクス講師の経験もある荻野さんは、いつも笑顔だ。

 「お客様に顔を見られる受付の仕事なんて、あの頃を思うと信じられません」

 2006年10月、全身を包帯でくるまれて病院のベッドにいた。重症のアトピー性皮膚炎で、炎症が全身に広がっていた。

 もともと、アレルギー性の病気にかかりやすかった。生後数カ月で湿疹ができた。1歳ごろには気管支ぜんそくを患い、小学生まで入退院を繰り返した。次第にぜんそくは治まり、アトピー性皮膚炎の症状が出始めた。

 アトピーは、持って生まれた体質や肌の性質、環境要因などが合わさって起こるとされる。乾燥などで肌のバリアが壊れ、かゆみを伴う湿疹が慢性的にできるのが特徴だ。

 口の周りやひじ、ひざの内側がかゆく、遊んでいる拍子に腕をピンと伸ばすと、ひじの内側の肌が割れてあかぎれになった。

 病気がちでも、興味のあることに次々に挑戦した。踊りが好きで、小学2年からバレエを始め、高校ではエアロビクスも始めた。

 症状を強く認識したのは高校2年の時。米国に滞在するためパスポート用の写真を撮ると、顔の赤みや湿疹が際だって見えた。「こんなひどい状態じゃ行けない」。近所の皮膚科医院にかけこんだ。ステロイドの塗り薬と飲み薬を処方され、使っているうち、かゆみが消えて顔の湿疹もきれいになっていった。

 大学時代の前半は、化粧もしたし、アトピーについてさほど深刻には悩まなかった。しかし、そんな生活は長くは続かなかった。(鈴木彩子)

◆「患者を生きる 大人のアトピー性皮膚炎」は6回連載します。

    ◇

 連載「患者を生きる」は今週から新シリーズ「皮膚」です。ニキビやあざ、脱毛症や床ずれといったテーマを予定しています。

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